2011 Fiscal Year Research-status Report
骨リモデリングにおけるRA系関与機構とARB骨保護作用:老年者高血圧治療の新概念
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23590902
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Research Institution | Morinomiya University of Medical Sciences |
Principal Investigator |
青木 元邦 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 教授 (00346214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中神 啓徳 大阪大学, その他の研究科, その他 (20325369)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 老年医学 |
Research Abstract |
(1)「高血圧・閉経後女性患者に対するアンジオテンシン受容体拮抗薬の骨粗鬆症予防効果に関する検討」:アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB投与群とCa拮抗薬(CCB)投与群にて、骨代謝に及ぼす影響を検討した。両群ともに経過とともに骨吸収の上昇傾向にあったが、骨吸収マーカー(デオキシピリジノリン・NTx・尿中ハイドロキシプロリン・ペントシジン)ではARB投与群でCCB投与群に比し有意に低値であり、ARBの破骨細胞活性化抑制作用が示唆された。骨形成マーカー(オステオカルシン・BAP)では両群で差はなかった。また、DXAによる大腿骨骨密度変化率では6か月後においてARB投与群はCCB投与群に比し有意に高かった。ARB投与による骨吸収マーカーの抑制が認められ、RA系阻害による骨粗鬆症進展抑制効果が示唆できた。(2)Ang II infusion モデルを用いたRA系・ARB投与と骨リモデリング変化に関する検討:骨基質蛋白・骨芽細胞分化マーカーの分子レベルでの検討からアンジオテンシンII投与は骨芽細胞分化・活性化に影響を及ぼさなかった。上記(1)の結果でも骨形成系には影響しておらず、妥当な結果と考える。(3)Ang II infusion 肋骨骨折モデルを用いたRA系・ARB投与と骨折修復過程に関する検討:RA系は骨芽細胞へは影響していなかったが、軟骨細胞分化促進に影響を及ぼす可能性が明らかになった。肥大軟骨細胞においてアンジオテンシン受容体が発現しており、胎生期骨発生や骨端線での検討にて、アンジオテンシンII投与が肥大軟骨細胞への分化を促進していた。Ang II infusion 骨折モデルにおいても軟骨で形成される仮骨が過剰に産生され、結果として骨化を遅延させ、骨折修復遅延が起こると考えられた。軟骨細胞分化に対するRA系の関与に注目し、研究を継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)「高血圧・閉経後女性患者に対するアンジオテンシン受容体拮抗薬の骨粗鬆症予防効果に関する検討」:本臨床研究は完遂終了。アンジオテンシンIIが破骨細胞の分化を促進し、骨粗鬆症を進行させることを共同研究者は基礎実験にて報告しているが、おおむね合致する結果である。ARB投与による骨吸収マーカーの抑制が認められ、RA系阻害による骨粗鬆症進展抑制効果が示唆でき、目的は達成できた。(2)Ang II infusion モデルを用いたRA系・ARB投与と骨リモデリング変化に関する検討:RA系は骨芽細胞には影響を及ぼさず、骨形成系に影響しないことが明らかとなった。negative dataであるが、目的は達成され、次の軟骨とRA系に実験につながり、目的は達成できた。(3)Ang II infusion 肋骨骨折モデルを用いたRA系・ARB投与と骨折修復過程に関する検討:肥大軟骨細胞においてアンジオテンシン受容体が発現しており、胎生期骨発生や骨端線での検討にて、アンジオテンシンII投与が肥大軟骨細胞への分化を促進していた。Ang II infusion 骨折モデルにおいても軟骨で形成される仮骨が過剰に産生され、結果として骨化を遅延させ、骨折修復遅延が起こると考えられた。軟骨細胞分化とRA系の関連は報告がなく、新規性が高い結果が得られたことから、骨折修復とRA系に関する本研究はおおむね順調に研究は進んでいると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
RA系と軟骨細胞分化に焦点をあて、骨折修復過程にアンジオテンシンII、ARBが及ぼす分子メカニズム解明を進める。Ang II infusion 骨折モデルにて、分化促進された肥大軟骨細胞が骨化に至る過程でのアポトーシス阻害や骨化遅延を明らかにし、ARBによる骨折修復遅延の改善メカニズムも検討し、高齢者高血圧の治療におけるARBのアドバンテージを骨保護の観点から明らかにする。軟骨分化とRA系の関連に関する報告はなく、新規性が高い研究となりうる。また、RA系と軟骨との関連がほぼ明らかとなったため、変形性関節症モデルも利用し、軟骨病変とアンジオテンシンIIの関与・ARBの優位性も検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験動物購入・各種分子生物学的手法にかかる試薬・抗体等の消耗品に利用する。
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Research Products
(1 results)