2011 Fiscal Year Research-status Report
摂食障害のプロテインアクティブアレイを用いた網羅的自己抗体スクリーニング
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23590908
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
安藤 哲也 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所心身医学研究部, 室長 (50311428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五島 直樹 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディシナル情報研究センター細胞システム制御解析チーム, 主任研究員 (70215482)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 摂食障害 / 神経性無食欲症 / 神経性大食症 / 肥満 / プロテインアレイ / 自己抗体 / 蛋白質 / 抗原 |
Research Abstract |
摂食障害の病態に自己抗体が役割を果たしていることが示唆されている。本研究ではプロテインアクティブアレイを使用した網羅的自己抗体スクリーニング法によって摂食障害および肥満患者に特異的な自己抗体を探索することを目的とする。自己抗体より抗原蛋白が同定されれば、その機能を解析することにより、摂食障害の病態メカニズムを解明するのに役立つ。また、摂食障害に特異的な自己抗体をみつけることによって場合、摂食障害の発症前や早期の診断への応用や、治療法の開発に役立つことが期待される。平成23年度はプレスクリーニングフェーズを実施し、次の抗原同定フェーズに用いるアレイを作成した。プレスクリーニングフェーズでは約2万種のヒト蛋白質を搭載したプレスクリーニング用のアレイ(C-PAA)を作成した。C-PAAの1スポットにはそれぞれ10種のタンパク質が搭載された。次に3人分の血清サンプルのプール血清を10グループ作成した。その内訳は神経性食欲不振症―制限型2グループ、神経性食欲不振症―むちゃ喰い/排出型2グループ、神経性過食症2グループ、肥満2グループ、健常者2グループである。C-PAAによる抗原検出は、希釈プール血清をアレイに添加・反応、洗浄後、二次抗体を添加・反応、洗浄後、基質を加え化学発光、イメージアナライザーによる画像検出、スポットの数値化の手順で実施した。プレスクリーニングにより、各グループ15~20のポジティブスポットが検出された。ポジティブスポット上のミックスタンパク質を展開した各グループ150~200の抗原と、それに加えて蛋白の機能から摂食障害と関連する可能性のある候補抗原185を搭載した抗原同定用のアレイ(E-PAA)を作成した。平成24年度は作成したE-PAAを用いて自己抗体に対応する抗原を同定する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究実施計画通りのスケジュールで進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初研究実施計画通りのスケジュールで進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度(平成24年度)はプレスクリーニングフェーズで検出されたポジティブスポットから抗原を同定し、次の検証フェーズに用いるアレイの作成までを終了する。抗原同定:E-PAAにプレスクリーニングで用いた10グループのプール血清を反応させ抗原蛋白を同定する。健常人に検出されず、摂食障害、肥満に検出される抗原であることや抗原蛋白の機能に関する情報、症状との相関を考慮して疾患マーカーとしての観点から抗原を絞り込んでいく。F-PAAの作成:抗原同定フェーズで同定されたタンパク質のみ搭載した検証用のアレイ(F-PAA)を作成する。次年度の研究費は測定反応に要する試薬、チューブ、シリンジ等の消耗品費、およびF-PAAの作成費用として使用する。
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Research Products
(3 results)