2013 Fiscal Year Research-status Report
温度感受性遺伝子導入動物カハール細胞を用いた消化管間質腫瘍の悪性化機序
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23590912
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
杉山 敏郎 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (00196768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 桂一 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 准教授 (10334715)
安藤 孝将 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (30600671)
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Keywords | GIST / c-kit遺伝子 / 由来臓器悪性度 |
Research Abstract |
消化管間質腫瘍(GIST)発症の分子機構の解明からKIT蛋白を介した脱制御が主たる腫瘍化機序と推定される。この点を直接的に証明するために実施された変異c-kit遺伝子ノックインマウスでは、予想に反して、GIST起源カハール介在細胞の過形成は多発するが、腫瘍は盲腸部に限局、発生頻度が最も高い胃に腫瘍としてのGISTは発生しないことが判明した。この知見は第1点はc-kit遺伝子変異のみが増殖機序ではないこと、第2点は発生臓器の特異性があることを予測させた。 本研究では、この課題を解明すべく、以下の手法を用いて検討した。すなわち、温度感受性増殖特性を示すSV40 largeT抗原遺伝子導入動物を用いて、GISTが発生する消化管各臓器(胃、小腸、盲腸、結腸、直腸)の中からGISTの起源細胞であるカハール介在細胞を抗体ソーティング法により分離培養した。これまでの検討により、SV40 largeT抗原遺伝子導入細胞の特徴である温度感受性(33℃の培養では不死化、37℃では死滅)胃由来カハール介在細胞株(低悪性度)および小腸由来カハール介在細胞株(高悪性度)が樹立できた。これら樹立細胞株にsite-directed mutagenesisにより作成されたc-kit遺伝子エクソン11変異遺伝子およびc-kit遺伝子エクソン11変異遺伝子およびエクソン17変異遺伝子(kinase activation loop) を導入、c-kit遺伝子エクソン11変異導入カハール介在細胞株は37℃でも死滅せず、経代して増殖することが確認された。c-kit遺伝子エクソン11変異およびc-kit遺伝子エクソン11変異およびエクソン17変異(kinase activation loop) を導入したGIST細胞を用いて、変異KIT蛋白に連動する細胞内情報伝達分子を検討、c-kit遺伝子変異型と由来臓器悪性度に関連する分子を同定中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
最近、c-kit遺伝子エクソン11変異遺伝子およびc-kit遺伝子エクソン11変異遺伝子およびエクソン17変異遺伝子(kinase activation loop) を導入した胃由来および小腸由来カハール介在細胞株が37℃でも死滅せず、経代して増殖することが可能となり、当初の目標であった由来臓器悪性度の差違を検討できる段階に到達した。以後、本細胞株を用いて、由来臓器悪性度に関連する分子を同定中である。
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Strategy for Future Research Activity |
変異導入細胞株の安定的継代培養に時間を要し、進捗がやや遅れていたが、当初の目的に沿って研究は進行しており、研究目的はほぼ達成できると予想している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
c-kit遺伝子エクソン11変異遺伝子およびc-kit遺伝子エクソン11変異遺伝子およびエクソン17変異遺伝子を導入した胃由来および小腸由来カハール介在細胞株が37℃でも死滅せず、増殖することが可能となったが、長期間培養が出来なかったため。 c-kit遺伝子エクソン11変異遺伝子およびc-kit遺伝子エクソン11変異遺伝子およびエクソン17変異遺伝子を導入した胃由来および小腸由来カハール介在細胞株が37℃でも死滅せず、増殖することが可能となったが、長期間培養が出来なかったが、異なったベクターを使用することにより、長期間培養がようやく可能となり、当初の目標であった由来臓器悪性度の差違を検討できる段階に到達した。以後、本細胞株を用いて、由来臓器悪性度に関連する分子を同定中である。
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