2012 Fiscal Year Annual Research Report
逆流胆汁酸組成からみたバレット食道の発生・発癌機序解明と治療法の検討
Project/Area Number |
23590916
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
天野 祐二 国際医療福祉大学, 大学病院, 教授 (80284032)
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Keywords | Barrett食道 / 発癌 / SREBP / Statin |
Research Abstract |
Sterol regulatory element-binding protein (SREBP) はコレステロールの合成を規定する重要な因子であることは良く知られている。このSREBPはstatinによって活性化される。SREBPはVEGF発現を抑制すると言われており、また、Barrett食道において血管新生の増生はmalignant potential獲得に関与するという結果と合わせると、stainによるBarrett食道の発癌抑制作用の一つに、SREBPを介したVEGF系抑制が考えられる。Statin投与がBarrett食道間質の新生血管に影響するのであれば、その新生血管の状態はnarrow band imaging (NBI) 内視鏡で観察可能であり、その病態及び投与効果の判定に内視鏡診断を応用出来る可能性があると考え、SREBP-1およびSREBP-2のBarrett食道における発現とその内視鏡所見を検討した。その結果、SREBP-1, 2の発現するBarrett食道における間質の血管新生は抑制されており、statin投与群では発現が顕著である傾向を得たことから、SREBPの発現とBarrett食道発癌リスクの抑制の関連が示唆された。しかしながら、SREBPの発現と内視鏡所見には直接的な一定の相関が得られなかった。 そこで、Barrett食道生検材料を用いて網羅的にRNA解析を施行したところ、血管新生、細胞増殖、アポトーシスと関連のあるepireglinとの相関が認められ、このリガンドとNBI内視鏡画像解析による間質の血管密度との関連を証明できた。これは発癌ポテンシャルの高いBarrett食道の同定に有用であるとともに、statinおよび胆汁酸を用いた発癌抑制治療の可能性に繋がるものである。現在、これらのデータを整理し、国内外の学会にて成果の報告準備をしている。
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