2013 Fiscal Year Annual Research Report
p53経路に関わる機能性RNAと消化器発がん:バイオマーカーとしての有用性
Project/Area Number |
23590920
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
佐々木 泰史 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (70322328)
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Keywords | p53 / p63 / p73 / miRNA / 機能性RNA / バイオマーカー / 消化器癌 |
Research Abstract |
本研究では,がん抑制遺伝子p53経路の異常が発がん,がんの進展過程におよぼす分子機構を多面的に理解するため,p53ファミリー (p53, TAp63, TAp73)によって制御される機能性RNAを同定し,その機能解析へと展開する.さらに発現異常,悪性度および化学療法効果との関連性の分析を通じて,消化管癌の新しい診断・治療予測システムを開発しようとするものである. (1)miR-200ファミリーの新規標的遺伝子CRKLの機能解析 p53誘導性miRNA,miR-200b/200c/429の新規標的遺伝子として同定したCRKL (v-crk sarcoma virus CT10 oncogene homolog-like)について解析をすすめた.CRKL遺伝子の3’-UTRにmiR-200b/200c/429の結合配列を同定し,p53ファミリーがmiR-200b/200c/429を転写活性化し,この配列を介してCRKLの発現を抑制していることを明らかにした.臨床検体の解析から,CRKL遺伝子発現が胃癌組織で上昇し,予後不良と相関することをつきとめた.さらに公共のベータベースを利用した解析により,胃癌だけでなく,乳癌,肺癌,大腸癌においてもCRKL発現上昇が予後不良因子であることを明らかにした.また,p53変異のある症例(大腸癌,乳癌)で有意にCRKLが発現上昇していた.CRKLの導入により,胃癌細胞の増殖,浸潤,遊走能が上昇することを明らかにした.以上の結果から,p53ファミリーがmiR-200b/200c/429の転写誘導を介してCRKLの発現を制御し,がんの浸潤,転移能を抑制していることが示唆された. (2)p53に制御される新規機能性RNAの同定 マイクロアレイ,およびp53結合コンセンサス配列の全ゲノム網羅的解析より,76のp53誘導性ncRNA候補を同定した.それらすべてについて,RT-PCR法によりp53ファミリーによる発現誘導を確認したところ,6つのncRNAの強い転写誘導が認められた.それらのncRNAについて近傍のp53応答性配列を同定し,p53ファミリーによる転写活性化機構の解析を進めた.
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] The effect of IGF-I receptor blockade for human esophageal squamous cell carcinoma and adenocarcinoma2014
Author(s)
Adachi Y, Ohashi H, Imsumran A, Yamamoto H, Matsunaga Y, Taniguchi H, Nosho K, Suzuki H, Sasaki Y, Arimura Y, Carbone DP, Imai K, Shinomura Y
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Journal Title
Tumour Biol
Volume: 35
Pages: 973-985
DOI
Peer Reviewed
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