2011 Fiscal Year Research-status Report
胃癌,GISTに対する糖鎖連結クロリンを用いた新規光線力学的治療法の開発
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23590923
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
片岡 洋望 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40381785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 重信 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (60011186)
城 卓志 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30231369)
田中 守 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 臨床研究医 (80617861)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 光線力学的治療法 |
Research Abstract |
1.グルコース連結クロリンを合成した(矢野ら).2.グルコース連結クロリンはレザフィリンに比べ有意に高い細胞内への取り込み能を認めた(グルコース連結クロリン:M.F.I.=544.8~828.3,レザフィリン:M.F.I.=4.2~6.4).グルコース連結クロリンの細胞内局在は,ミトコンドリア,ライソゾームに比し,ゴルジ体に有意な局在を認めた.3.グルコース連結クロリンによるPDT効果は一重項酸素抑制剤であるSodium azideで殺細胞効果の減少(生存率:25.34%→95.62%),また一重項酸素のエンハンサーである重水で殺細胞効果の増大(生存率:75.40%→51.29%)を認めた.以上のことから一重項酸素を介してPDT効果を誘導していることが明らかになった.4.グルコース連結クロリンはレザフィリンに比べ高い活性酸素の産生惹起とアポトーシスの誘導を示した.殺細胞効果の検討では,レザフィリンではIC50=12.65~25.79μMに対して,糖鎖連結クロリンではIC50=0.35~0.82μMと有意に低濃度で強力な殺細胞効果を認めた(約20倍から50倍の殺細胞効果).5.ヌードマウス背部皮下に大腸癌細胞株HT29,HCT116を移植し,グルコース連結クロリン静注下にLEDを37.5J/cm2照射し,腫瘍縮小効果を検討した.グルコース連結クロリン,レザフィリンともに静注後4時間後に腫瘍組織への最大の集積が見られた.単回照射の結果,レザフィリンに比べて有意に強力な腫瘍縮小効果を認めた(p<0. 01).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書の研究計画・方法に記した平成23年度の内容をほぼ施行できているから.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り1. xenograftモデルにおけるPDT複数回施行による検討,2. GIST細胞も用いてのin vitro, in vivoモデルの検討,3. 腹膜播種モデルに対するPDT効果の検討を予定している.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験消耗品,備品:温度制御方ファイバ出力高出力LD光源FOLS-03/660nm(約25万円)学会発表旅費などを予定している.
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Research Products
(4 results)