2012 Fiscal Year Research-status Report
慢性胃炎進展とシクロオキシゲナーゼ2遺伝子単塩基変異の役割
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23590927
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
坂本 長逸 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30196092)
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Keywords | 慢性胃炎 / シクロオキシゲナーゼ2 |
Research Abstract |
H. pylori陽性胃炎(n=333)を対象にして末梢血 1mlまたは生検ブロックよりDNAを抽出し、Taq Man法を用いてIL-1β,TNF-α,COX-2のSNPを測定した。IL-1β-511 C>T(rs16944)(Gut, 2007, 56, 595-597)、TNF-α-308 G>A (rs1800629)(Carcinogenesis, 2007, 28, 118-123)、 COX-2 1195G>AとCOX-2 1290A>G を中心にSNPを解析した。 H.pylori 感染は組織所見とH. pylori 抗体により判定した。萎縮性胃炎は血清ペプシノーゲン値とUpdated Sydney Systemに基づいた、前庭部、体部小弯および大弯の組織所見から判定した。 現在のところ,胃粘膜の慢性炎症所見とCOX-2 1195TT型には有意ではないものの軽度の相関(p=0.0586)を認めた.一方で,COX-2 1290A>Gにおいては,慢性炎症, 活動性, 萎縮, 腸上皮化成いずれにおいても相関を認めなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
病理標本については、300症例を超える臨床症例が、組織学的解析を終えている。また、遺伝子多型の解析もすでに300症例の解析を終えて、順調に進んでいる。PGI/IIの解析がやや滞っている。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床症例については、サンプル数を考慮すると,あと,50症例ほどの上積みが必要である。PGI/II比から各遺伝子多型の萎縮胃炎進展リスクを算出する。病理標本の解析についてもまもなく組織学的解析を終える予定である。さらには、内視鏡所見との比較検討を加える予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度の研究費については本年度内に使用し、次年度使用予定はない。次年度の研究については、次年度の研究費の範囲内で行う予定である。
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