2013 Fiscal Year Annual Research Report
NSAID潰瘍のなりやすさとは?:COX2 DNAメチル化へのピロリ菌感染の関与
Project/Area Number |
23590928
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
安田 宏 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (80262129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 文生 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (90223180)
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Keywords | COX2 / ピロリ菌 / DNAメチル化 / スナネズミ |
Research Abstract |
[目的]シクロオキシゲナーゼ(以下COX)は胃粘膜防御機構や発癌への関与している。COX2は潰瘍治癒に重要である。COX2のプロモーター領域にはCGIが存在しepigeneticな発現制御を受ける可能性がある。潰瘍治癒における背景胃粘膜COX2メチル化とその意義をヒトおよびピロリ菌(以下HP)感染モデル動物であるスナネズミ(以下MG)で検討した。 [方法]①COX2のDNAメチル化は内視鏡下に生検鉗子で採取した胃前庭部粘膜組織よりDNAを抽出して、バイサルファイト・パイロシークエンス法で定量的に解析した。②HP感染モデル動物であるMGを用いて、COX2メチル化と、酢酸潰瘍時のHP感染の有無によるCOX2発現について検討した。 [成果]①HP陽性例では陰性例と比べてCOX2のDNAメチル化が有意に亢進していた。除菌例では陽性例と比べて有意に低値であった。②COX2DNAが高度にメチル化したヒト胃癌細胞であるKATOIII細胞で検討すると、脱メチル化剤5-aza-dCで同細胞はCOX2mRNA発現が回復した。③DNA walking法でMGのCOX-2ゲノムのプロモーター領域をクローニングした。MGではヒトよりも豊富なCpG islandを認めた。HP感染MG胃粘膜および、MG由来胃癌細胞MGC1/2細胞を用いてCOX-2プロモーター領域を検索するとCGIにメチル化を認めた。MGC1/2細胞でも5-aza-dC添加でCOX2mRNA発現が著明に増強した。④HP感染・非感染MGに酢酸潰瘍を作成し経時的な治癒過程と潰瘍辺縁でのCOX2mRNAの発現を検討した。HP感染MGでは潰瘍治癒は非感染MGと比べて遷延している一方で、COX2発現は低値であった。 [結論]COX2DNAプロモーター領域はHP感染によりDNAメチル化が亢進していた。HP感染における潰瘍治癒の遷延に関与している可能性がある。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] An updated review of gastric cancer in the next-generation sequencing era: Insights from bench to bedside and vice versa.2014
Author(s)
Hiroyuki Yamamoto, Yoshiyuki Watanabe, Tadateru Maehata, Ryo Morita, Yoshihito Yoshida, Ritsuko Oikawa, Shinya Ishigooka, Shun-Ichiro Ozawa, Yasumasa Matsuo, Kosuke Hosoya, Masaki Yamashita, Hiroaki Taniguchi, Katsuhiko Nosho, Hiromu Suzuki, Hiroshi Yasuda, Yasuhisa Shinomura, Fumio Itoh.
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Journal Title
World Journal of Gastroenterology
Volume: 20
Pages: 3927-3937
DOI
Peer Reviewed
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