2011 Fiscal Year Research-status Report
低用量アスピリンによる消化管粘膜障害関連因子の検討
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23590930
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
塩谷 昭子 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (80275354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 和人 近畿大学, 医学部, 教授 (10208134)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 網羅的遺伝子多型解析 / 低用量アスピリン |
Research Abstract |
1. 内視鏡検査を行った低用量アスピリン内服500例(男性330例、女性170例、年齢42~91歳、平均年齢71歳。上部消化管出血34例、潰瘍78例を含む)を対象。全血よりDNAを抽出し、CYP2C9、CYP3A4、薬剤取り込みトランスポーター(OATP1B1、OATP1B3)および胆汁排泄トランスポーター(MDR1; P - glycoprotein), MRP2, BCRPの遺伝子多型について、主にPCR-RFLP 法により検出し、ダイレクトシーケンス法により塩基配列を確認した。SLCO1B1ハプロタイプの検討で、SLCO1B1*1bは、有意に潰瘍および出血と関連し低用量アスピリンによる上部消化管出血の有用なリスクマーカーであることが示唆された。これらは、以前より着手していた研究であるが、完結し、結果を論文に掲載した。2. 網羅的遺伝子解析を追加するために、新たに研究実施計画書および患者への同意書を倫理委員会に提出し、平成23年8月3日に川崎医科大学倫理委員会より研究の承認を取得した(受付番号837)。現在、低用量アスピリン内服中に小腸出血が疑われた74例を含む428例の患者より血液の検体採取を終えている。この中で、性別、年齢、基礎疾患、薬剤内服をマッチさせた、小腸出血17例および対照17例の血液よりDNAを抽出し、Affymetrix社 DMET Plus Premier Packを使った遺伝子多型解析を行った。結果、CYP2B6、SLC10A、GSTM1等のSNPに両群間で有意な差を認め、現在、各SNPについて各症例で検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
検体採取が順調に行われ、アレイ解析により、低用量アスピリンによる小腸出血と関連性があると考えられるターゲットとすべき遺伝子のSNPが同定できている。
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Strategy for Future Research Activity |
網羅的遺伝子多型解析により有意な差異が得られたSNPsについて、TaqMan(R) Drug Metabolism Genotyping Assays kit あるいはPCR-RFLP法、ダイレクトシーケンス法により、症例を追加しながら、十分な症例数で検証する。さらに上部消化管出血症例のうち臨床背景を一致させた20例を厳選し、網羅的遺伝子多型解析を追加し、同様に検討を加える。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額80,054円については、24年度に請求する研究費と合わせて既に購入しているパソコンの支払に充てる。24年度の研究費は網羅的遺伝子多型解析により特定した遺伝子のSNP解析のための試薬消耗品に500,000円と共同研究者へ人件費として100,000円を充てる。さらに残りの研究費は、上部消化管出血例の網羅的遺伝多型解析のためのAffymetrix社 DMET Plus Premier Packに充てる予定。
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Research Products
(4 results)