2011 Fiscal Year Research-status Report
放射線腸炎に対する自家脂肪組織由来間葉系前駆細胞を用いた再生治療
Project/Area Number |
23590946
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
大津留 晶 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (00233198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯本 一 長崎大学, 大学病院, 准教授 (90322304)
中島 正洋 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50284683)
吉本 浩 長崎大学, 大学病院, 助教 (90513309)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 放射線皮膚潰瘍 |
Research Abstract |
放射線腸炎は、腹部悪性腫瘍放射線治療の代表的晩期有害事象の一つで、今日においても対症療法で対応しており、難治例の根本治療はない。手術後も、直腸膀胱障害やリンパ浮腫を悪化させ、QOLを低下させる場合もある。昨今の強度変調放射線治療(IMRT)などの発達により、放射線治療の症例が増大することが予測され、放射線腸炎に対する画期的な治療法の開発が急務である。今回、放射線腸炎に対する自家脂肪組織由来前駆細胞による細胞再生治療の確立を目指し基礎・臨床研究を行っている。我々はES細胞用の培養液を工夫した特殊な培養環境で、ヒト組織より採取された初代細胞株が分化せずに前駆細胞機能(多分化能)を維持したまま細胞分裂することを示した。(K. Suzuki, N. Mitsutake, A. Ohtsuru, et.al. Dedifferentiation of human primary thyrocytes into multilineage progenitor cells without gene introduction. PLoS ONE 27;6(4): e19354, 2011.)さらに、ヒトへの臨床研究に向け、大動物実験や、すでにスタートしている放射線皮膚潰瘍に対する臨床研究の詳細な解析を行った(A. Ohtsuru, S. Akita,et.al. Development of novel treatments for radiation-related diseases in nuclear power plant accident. A New Challenge of Radiation Health Risk Management M. Nakashima, et.al.(Eds) Nagasaki Newspaper Publish 181-191, 2012.)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2011年3月に発生した東日本大震災に伴う原子力災害に対し長崎大学からの被ばく医療支援を、研究代表者が中心として行っていたことと、さらに原子力災害後の福島県民健康調査を遂行する主導的役割を担うため、研究代表者が長崎大学より福島県立医科大学に新設された臨床教室へ教授として異動となったため、基礎研究は共同研究者により進行しているが、臨床研究が十分進行していない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
長崎大学だけでなく福島医科大学においても本研究の臨床研究面が遂行できるよう現在セットアップしている。また臨床研究が困難な時は、研究計画で示していた基礎研究をより精力的に進め、放射線腸炎に対する脂肪組織由来前駆細胞治療の効果機序の科学的根拠を中心に研究する。すなわち放射線動物モデルにおいて、各種cDNAマイクロアレイを用いて抗線維化、抗炎症、血管新生因子解析を中心に検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
放射線腸炎動物に対し自家脂肪組織由来前駆細胞(ADRC)治療実験を行い、病変部位に遊走している色素処理ADRCを、フローサイトメトリーで回収し、単一細胞PCRcDNA Microarrayで比較検討する。それによりADRCの放射線腸炎細胞治療における重要な効果機序候補分子を探索する。その候補遺伝子の発現を動物実験に加えて、ヒトの放射線腸炎症例においても解析する。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] MiRNA-205 modulates cellular invasion and migration via regulating zinc finger E-box binding homeobox 2 expression in esophageal squamous cell carcinoma cells2011
Author(s)
K.Matsushima,H.Isomoto,N.Yamaguchi,N.Inoue H.Machida,T.Nakayama,T.Hayashi,M.Kunizaki, S. Hidaka, T. Nagayasu, M. Nakashima, K. Ujifuku, N. Mitsutake, A.Ohtsuru,S.Yamashita,et.al
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Journal Title
J Transl Med
Volume: 9
Pages: 1-30
Peer Reviewed
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[Journal Article] Dedifferentiation of human primary thyrocytes into multilineage progenitor cells without gene introduction,2011
Author(s)
K. Suzuki, N. Mitsutake, V. Saenko, M. Matsuse, A. Ohtsuru, A. Kumagai, T. Uga, H. Yano, Y. Nagayama, S. Yamashita,
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Journal Title
PLoS ONE
Volume: 27
Pages: 6(4): e19354
Peer Reviewed
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