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2012 Fiscal Year Research-status Report

B型肝炎の肝発癌におけるHBx遺伝子の役割の網羅的解析

Research Project

Project/Area Number 23590964
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

四柳 宏  東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (30251234)

KeywordsB型肝炎ウイルス / 組み込み / X遺伝子
Research Abstract

昨年同様アレクサンダー細胞株における組み込み部位の解析を行った。この細胞株はHBV粒子そのものを産生するわけではないが、HBs抗原を産生し、細胞外に分泌することがわかっている。
FISH (fluorescence in situ hybridization)法により細胞核DNAに組み込まれたHBV DNAがどの部分に由来するかを調べた。市販のFISH probe 11種類を用いて実験を行ったが、アレクサンダー細胞の核にはシグナルは確認できなかった。そこでdigoxigeninでプローブをラベルし、FISHを行ったところ、HBxのプロモーター領域に置いたプローブ、HBx領域の前半分に置いたプローブでのみ蛍光シグナルが確認され、HBVの組み込みがこの近傍で起きていることが示唆された。
そこでX領域前半及びX領域の上流に複数のプライマー(フォワード)を設計し、プライマー(リバース)としてAlu配列を用いたプライマーを用いてAlu-PCRを行った。また、プライマー(フォワード)としてAlu配列を用いたプライマー、プライマー(リバース)としてX領域前半及びX領域の上流の複数のプライマーを用いたAlu-PCRも行った。
アレクサンダー細胞株へのHBVの組み込みは解析した多くのクローンで認められたが、その大部分は第5染色体の非翻訳領域(Chromosome 5: 1, 297, 221-1, 297, 605)への組み込みであった。組み込まれた部分の配列は(図)に示す通りであった。なお、1クローンだけであるが、TMP 195遺伝子のエクソン上への組み込みが認められた。TMP 195は肝臓に多い細胞膜蛋白であるが、その性質、機能に関しては不明である。
なお、臨床検体を用いた組み込みの実態に関しては次世代シークエンサーを用いた検討がほぼ終了し、現在解析中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

肝癌細胞株を用いた検討が終わり、これまで組み込み部位のわからなかったアレキサンダー細胞へのHBVの組み込みの解析が終了した。
組み替え部位の網羅的解析を行う必要が生じてきたため、次世代シークエンサーを用いた網羅的解析を行った。臨床サンプル4サンプル(腫瘍部、非腫瘍部)を用いた解析の検討を行い、現在解析中である。組み込まれた部分の多くは非翻訳領域であることがわかっている。エクソン部位には一定の傾向は認められないが、網羅的解析により新しい遺伝子及びその組み込み部位の同定が可能になる。これら新規遺伝子の解析を行う。また、非翻訳領域にはmiRNAを含め、発癌に影響を及ぼすncRNAが含まれている可能性がある。これに関する解析も行う。

Strategy for Future Research Activity

組み込まれた部分の多くは非翻訳領域であることがわかっている。エクソン部位には一定の傾向は認められないが、網羅的解析により新しい遺伝子及びその組み込み部位の同定が可能になる。これら新規遺伝子の解析を行う。また、非翻訳領域にはmiRNAを含め、発癌に影響を及ぼすncRNAが含まれている可能性がある。これに関する解析も行う。
臨床サンプル及び肝癌細胞株における未知遺伝子の探索をRTD-PCR、もし抗体を用いた免疫組織染色が可能であればそうした解析を行う。またHBVの存在様式と定量に関しても、シークエンスを用いて明らかにしていく。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究費の大部分は上記の研究の遂行に用いる消耗品に充当する予定であるが、解析、学会発表、論文発表にも充当する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2012

All Journal Article (1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] A new detection method for integration of hepatitis B virus DNA in PLC/PRF/5 Cells2012

    • Author(s)
      Hiraishi T, Watanabe Y, Oikawa R, Hara M, Kiyokawa H, Yoshida Y, Yamada N, Okuse C, Suzuki M, Yotsuyanagi H, Itoh F
    • Journal Title

      St. Marianna Universirty Journal

      Volume: 3 Pages: 63-72

  • [Presentation] PLC/PRF/5細胞株におけるB型肝炎ウイルスDNAの新しい検出法2012

    • Author(s)
      平石哲也, 渡邊嘉行, 及川律子, 重福隆太, 大石嘉恭, 山田典栄, 高橋秀明, 奥瀬千晃, 四柳宏, 伊東文生
    • Organizer
      日本分子腫瘍マーカー研究会
    • Place of Presentation
      さっぽろ芸文館(札幌)
    • Year and Date
      20120928-20120928
  • [Presentation] PLC/PRF/5細胞株におけるB型肝炎ウイルスDNAの組み込み形態2012

    • Author(s)
      平石哲也, 渡邊嘉行, 及川律子, 重福隆太, 大石嘉恭, 山田典栄, 高橋秀明, 奥瀬千晃, 四柳宏, 伊東文生
    • Organizer
      日本消化器病学会総会
    • Place of Presentation
      京王プラザホテル(東京)
    • Year and Date
      20120419-20120421

URL: 

Published: 2014-07-24  

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