2013 Fiscal Year Annual Research Report
非アルコール性脂肪性肝疾患におけるキニノーゲン断片ペプチドを介した高血圧の関与
Project/Area Number |
23590981
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
宇都 浩文 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (20347058)
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Keywords | NAFLD / NASH / 高血圧 / キニノーゲン |
Research Abstract |
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は、高血圧などの生活習慣病と関連し、NAFLDの一つの病型である非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は肝硬変や肝細胞癌へ進展する予後不良な疾患である。しかし、病態の進展と高血圧との関連は十分明らかになっていないため、 簡便な診断法や治療法も確立していない。我々がNAFLD患者血中からプロテオミクスで同定したKininogen断片は高血圧と関連する可能性があることから、本研究では、NAFLD/NASHにおける高血圧の臨床的意義を検討している。今までに、塩分感受性高血圧(SHR)ラットにコリン欠乏アミノ酸置換食(CDAA)と高塩分食を投与する実験を行い、高血圧は脂肪肝の程度には影響しないものの、CDAAにより誘導された肝炎と肝線維化を高血圧は増悪させることを明らかにした。さらに、高塩分で誘導された高血圧を降圧剤で低下させると、高血圧で誘導された肝炎増悪は降圧剤で抑制されることを明らかにした。 本年度は、高血圧で肝炎が増悪する機序を解析し、その効果にはIL-10やHO-1発現抑制、および高血圧による制御性T細胞の制御が関与している可能性を見出した。また、NAFLDではkininogen分解が亢進していると考えられたが、kininogen断片濃度と高血圧との関連は明らかではなく、kininogen分解亢進はNASH特異的ではないことを明らかにした。一方、血清中のKininogen断片、CK-18断片、およびApoE濃度を組み合わせて作成した決定木は、NASHの診断や治療効果判定に有用な新しい分子マーカーになる可能性を明らかにした。
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[Journal Article] Hypertension exacerbates liver injury and hepatic fibrosis induced by a choline-deficient L-amino acid-defined diet in rats.2014
Author(s)
Arima S, Uto H, Ibusuki R, Kumamoto R, Tanoue S, Mawatari S, Oda K, Numata M, Fujita H, Oketani M, Ido A, Tsubouchi H.
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Journal Title
Int J Mol Med.
Volume: 33
Pages: 68-76
DOI
Peer Reviewed
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