2011 Fiscal Year Research-status Report
生体内オートファジー機能評価のための新規バイオマーカー開発
Project/Area Number |
23590989
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
山科 俊平 順天堂大学, 医学部, 准教授 (30338412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池嶋 健一 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20317382)
上野 隆 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10053373)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | オートファジー / 核膜蛋白 / バイオマーカー / 肝疾患 |
Research Abstract |
核膜蛋白解析と発現蛋白シークエンサーによる発現蛋白同定肝特異的オートファジー欠損マウス(Atg7 F/F:MX1-Creマウス)とコントロールマウスより核膜蛋白を抽出し2次元電気泳動を行った。オートファジー欠損によって発現の変化する核膜蛋白として10個の蛋白を抽出した。蛋白シークエンサーによる蛋白解析でSWI/SNF-related matrix-associated actin-dependent regulator of chromatin subfamily A member 5(SMARCA5)やprohibin-2などが同定された。SMARCA5は遺伝子の安定性やクロマチンの再構成などに関与する蛋白として知られており、細胞内ストレスによるクロマチン変異修復に作用しているのかもしれない。一方、逆の考え方として遺伝子上でなく、核膜にSMARCA5が凝集し、蛋白機能が低下しているのであれば、遺伝子再構成障害をきたしている可能性もあり、核膜へのSMARCA5沈着がオートファジー欠損による肝発癌と関係しているのかもしれない。一方、prohibin-2は癌抑制蛋白と考えられている蛋白であるがオートファジー欠損によって核膜での発現が低下していた。オートファジー欠損によるprohibin-2発現抑制は発癌機序の一つとして作用している可能性がある。オートファジー欠損によって発現変化する核膜蛋白は数が多いため、強く発現変化している蛋白を選択したが、さらに数を増やし解析を進めているところである。またSMARCA5やprohibin-2に対する抗体を用いて核膜に蛋白が発現しているのかについて検討を行う予定となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りオートファジー欠損マウスから核膜蛋白抽出を行い2次元電気泳動によって発現の異なる蛋白を抽出し、同定するところまで終了しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに候補蛋白の枠を広げて解析を行う予定である。一方で現在までに検出された蛋白においては抗体がすでに入手できる状態であるためオートファジー欠損肝細胞の核膜上に発現しているのかを免疫染色によって確認する。また肝癌細胞株を用いて候補蛋白発現抑制によって細胞増殖や細胞死に変化が生じるのかについて検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
候補蛋白解析や抗体や動物購入に使用する予定である。また蛋白発現抑制のためにsiRNA作成も検討している。
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