2013 Fiscal Year Annual Research Report
Notch/Jagged-1シグナルを介した肝線維化と肝再生との病態連繋の解明
Project/Area Number |
23590991
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
三上 健一郎 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (00375263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 豊 東海大学, 医学部, 教授 (80193548)
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Keywords | 肝線維化 / Notchシグナル |
Research Abstract |
肝臓の線維化が進行すると慢性肝炎から最終的には肝硬変に至り、さらに肝硬変から高率に肝細胞癌を発症してくる。そこで、肝発癌予防を含めた新規治療法を開発するためには、肝線維化進展過程の病態を解明することが重要である。本研究では、幹細胞ニッチの構築に重要であるNotchシグナルに着目して、マウスの肝線維化進展過程におけるNotch/Notchリガンドの発現動態を解析した。方法としては野生型マウスをメチオニン・コリン欠乏食(MCD食)で飼育することにより脂肪肝を伴った肝線維化モデル(MCDモデル)を作成し、飼養後2週目、4週目、8週目と経時的に肝組織を採取して、Notch/Notchリガンドの発現についてImmunoblot法で解析した。Notchの発現についてはNotch-1, -2, -3, -4の4種類、Notchリガンドの発現についてはJagged-1, -2の2種類で検討した。その結果、普通飼料で飼養したマウス(コントロール群)とMCD食で飼養したマウス(MCD群)において、飼養後2~8週目ではNotchあるいはNotchリガンドの発現について、コントロール群とMCD群に有意な変化はみられなかった。Notchリガンドの1つであるJagged-1を欠損させたJagged-1 conditionalノックアウトマウスによる予備実験の結果から、Notchシグナルが星細胞を介して肝線維化と肝再生の病態連繋に関与していると推測されていた。また、これまでの報告から肝線維化進展過程ではNotch/Nocthリガンドの発現が変化していると考えられていたが、今回マウスのMCDモデルではNotch/Notchリガンドの発現には変化が認められなかった。
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