2011 Fiscal Year Research-status Report
オリゴアレイCGH法によるNASH発癌関連遺伝子の網羅的検索
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23590996
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
米田 政志 愛知医科大学, 医学部, 教授 (30261407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 春壽 愛知医科大学, 医学部, 教授 (60326139)
中出 幸臣 愛知医科大学, 医学部, 講師 (70431400)
シバスンダラン カルナン 愛知医科大学, 医学部, 助教 (30557096)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | NASH / 肝発癌 / オリゴCGHアレイ / コリン欠乏食 |
Research Abstract |
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)および肝脂肪化を伴うウイルス性肝炎からの発癌メカニズムを検討するため、本年はNASH肝発癌モデルであるコリン欠乏アミノ酸食を用いて、脂肪性肝炎から肝硬変を誘導し、前がん病変および肝発がんの状況を確認した。5週齢雄性Wistarラットにコリン欠乏アミノ酸食(choline-deficient L-amino acid-defined diet:CDAA食)を投与し、NASHより肝硬変を経て肝発癌にいたるモデルを作成する。対照食としてコリン添加アミノ酸食(CSAA)を用い、CDAA食およびCSAA食は自由摂食とした。CDAA食およびCSAA食の投与開始6、12、24および48週目に各々の群でラットを安楽死させて、肝および血液を採取し、血清中性脂肪量および血清ALT値を測定した。さらに肝硬変、肝前癌病変および肝発がんを組織学的検討にて評価した。その結果、CSAA食投与群では血清ALT値および血清中性脂肪量には変化を認めなかったが、CDAA食投与により血清ALT値および血清中性脂肪量は24および48週と経るに従い増加した。肝組織学的検討では、CSAA食投与では変化を認めなかったが、CDAA食投与開始24週目に肝硬変にいたり、さらにCDAA食投与開始48週目には肝硬変はさらに増悪した。前癌病変のマーカーであるGST-P陽性細胞数を定量したところCDAA食投与群では投与期間を経るに従い増加し、CDAA食投与開始48週目には半数のラットに肝発癌を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の計画では肝発がんモデルを作成することであった。CDAA食を投与することで、前癌病変数は増加し、肝発癌を半数のラットに認められたことから、次年度への研究計画への移行を図ることができるものと考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
CSAA食およびCDAA食投与開始後、6、12、24および48週後に得られた肝組織よりRNeasy Mini Kitを用いてRNAを抽出し、得られたRNAよりcDNAに逆転写する。さらにAgilent社のWhole Rat Genome CGHマイクロアレイを用いてCDAA食群を赤色蛍光色素(Cy3)でCSAA食群を緑色蛍光色素(Cy5)で標識し、スライドグラス上のプローブとハイブリダイズさせる。スライドグラスを洗浄後、蛍光シグナル強度を測定する。Cy3およびCy5の蛍光シグナル測定および得られた測定値の分析はFeature Extractionソフトウエアを用いて、遺伝子をリストアップする。さらにResolverソフトウエアを用いて、CDAA群がCSAA群に比べ遺伝子発現が増減しているかを対数表示で定量し、発癌過程において変化している遺伝子の探索をおこない、前癌病変数との相関関係を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度はCDAA食およびCSAA食投与ラットより得られた肝よりRNAを抽出しマイクロアレイを施行するために使用する以下の物品を購入する予定である。TRIzol reagent (Invitrogen)、RNeasy Mini Kit (Qiagen)、cDNA Reverse Transcription Kit (Applied Biosystems)、RNase-free DNase Digest Set (Qiagen)、SurePrint G3 Rat GE microarray Kit 8×60K (Agilent technology)、Low RNA Input Linear Amp Kit (Agilent technology)、Agilent Gene Expression Hybridization Kit (Agilent technology)、Agilent’s Microarray Scanner system (Agilent technology)、Agilent feature extraction software (FES)、Rosetta Resolver gene expression data analysis system (Rosetta Biosoftware)
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Research Products
(5 results)