2013 Fiscal Year Annual Research Report
肝癌における細胞周期チェックポイント制御機構の破綻機序の解明
Project/Area Number |
23590997
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
中尾 春壽 愛知医科大学, 医学部, 教授 (60326139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小西 裕之 愛知医科大学, 医学部, 教授 (20344335)
中出 幸臣 愛知医科大学, 医学部, 講師 (70431400)
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Keywords | p53 / TP53 / 遺伝子ターゲッティング / △N40p53 / knock-out / 細胞周期 / p21 / 肝癌 |
Research Abstract |
ヒト遺伝子ターゲッティング法を用いた内在性p53遺伝子破壊肝細胞株の樹立を試み、内在性TP53 alleleのExon2をheteroに破壊したHepG2細胞 (p53+/-)を3 clone樹立した。この3 cloneをもとにhomo knock-out clone (p53-/-)の樹立を何度も試みたがretargetされp53-/-は得られなかった(平成23年度~平成24年度)。 この結果よりHepG2細胞ではTP53遺伝子が生存に必須とする仮説を立て検証に取り組んだ。野生株およびp53+/-株に対してsiRNA法にてTP53 knock-downの影響を解析したが、予想に反してTP53 knock-downによりp53+/-の細胞増殖能は増強され、TP53遺伝子の発現低下は肝癌細胞(HepG2)での致死性表現型には関与していなかった(平成24年度)。 しかし、研究過程でp53/+/-細胞で特異的に観察されるやや低分子のバンドがp53のisoformの一つである△N40p53と判明し、△N40p53がp53+/-の表現型に関与する可能性が示唆された。肝癌における△N40p53の機能は、まだ解明されていないため肝癌細胞における△N40p53の機能解析を行った(平成25年度)。p53+/-細胞および野生株に外因性△N40p53を導入して細胞増殖能、細胞周期分子に対する影響を解析した。△N40p53の過剰発現によりp21のm-RNAおよび蛋白レベルは増強し、G1/S arrestが増強して細胞増殖能は低下した。この結果は、別の肝癌細胞であるHuh6でも再現された。したがって、△N40p53は、p21に対してp53の機能を補ってG1/S arrestを増強するよう作用することが明らかとなった。以上の結果は現在、英文誌に投稿中である。また、△N40p53のさらなる機能解析のため、p53野生株、p53+/-株、△N40p53発現細胞を用いてDNA-array実験を施行し、現在、結果を解析中である。
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Research Products
(1 results)