2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23591002
|
Research Institution | 独立行政法人国立病院機構 下志津病院(臨床研究部) |
Principal Investigator |
富澤 稔 独立行政法人国立病院機構下志津病院(臨床研究部), その他部局等, その他 (90334193)
|
Keywords | iPS細胞 / 肝細胞 / 転写因子 / 増殖因子 / 糖新生 / 尿素サイクル |
Research Abstract |
本年度はiPS細胞から肝細胞を分離する培地の開発を行った。さらにiPS細胞が肝細胞への分化を促進する培地の条件の検討も行った。 ブドウ糖、アルギニンは細胞の生存に必須である。肝細胞は糖新生、尿素サイクル等に関与する一連の酵素群が発現している。したがって肝細胞は糖新生によってガラクトースをブドウ糖に、尿素サイクルによってオルニチンをアルギニンに代謝することができる。そこでブドウ糖とアルギニンを除き、ガラクトースとオルニチンを添加した培地(hepatocyte selection medium, HSM)で培養するとiPS細胞は死滅し、肝細胞は生存すると考えられる。iPS細胞から肝細胞への分化は未だ困難なので初代培養肝細胞とiPS細胞の共培養を行い、培地をHSMに変更すると、3日でiPS細胞が死滅し初代培養肝細胞のみが生存することを見いだした。 iPS細胞をHSMに変更して2日後RNAを回収してリアルタイム定量PCRを行うと、未分化な肝細胞の指標であるalpha-feto proteinの発現量はヒト胎児肝と同程度に増強していることを見いだした。この現象は未だ報告されていない。iPS細胞は、HSMで培養すると肝細胞に分化して糖新生、尿素サイクルの酵素群を獲得して生存を図るものと推察される。 今後はHSMを基にiPS細胞が長期間生存する培地を開発し、肝細胞への分化を誘導する方法へ発展させる方針である。
|
Research Products
(7 results)