2011 Fiscal Year Research-status Report
自己免疫性膵炎の発症機序とIgG4産生制御に関する免疫学的研究
Project/Area Number |
23591017
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
岡崎 和一 関西医科大学, 医学部, 教授 (70145126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 彰功 関西医科大学, 医学部, 准教授 (50362463)
内田 一茂 関西医科大学, 医学部, 講師 (40411516)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | IgG4関連疾患 / 自己免疫性膵炎 / IgG4 / 制御性T細胞 / 制御性B細胞 / 自然免疫 |
Research Abstract |
わが国より発信された新しい疾患概念である自己免疫性膵炎(AIP)の病態と発症機序を解明することを目的として、患者および動物モデルを対象に発症とIgG4産生制御における制御性T細胞(Treg)、制御性B細胞(Breg)と自然免疫の役割について検討した。 特にIgG4産生制御では、TregとICOS分子の関連性とBregと共に、免疫制御機能を有するCD163+ M2単球(Mo)/マクロファージ(Mφ)、immunoglobulin-like transcript(ILT)-2+/ILT-3+ Mo/Mφ、paired immunoglobulin-like receptor (PIR)-B+ Mo/Mφにおける各種toll-like receptor(TLRs)とIL-10分泌との関連性について検討した。本研究では自己免疫性膵炎(AIP)の発症機序とIgG4産生制御における機序を明らかにすることを目的に、 (1) 抗原特異的メモリーTregとその誘導因子であるICOS分子発現との関連、(2) Breg、(3) 自然免疫担当細胞であるMo・Mφで抑制機能を有するM2-Mo/Mφ、PIR-B+(mice), ILT-2+/ILT-3+(human) Mo/Mφ/DCにおける各種TLRsの発現とIgG4産生能について、臨床例および動物モデルを用いた免疫・分子生物学的解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
AIP 60例、アルコール性膵炎30例、特発性膵炎30例、PSC20例、健常人30名について、末梢血中のICOS+ Treg、M1-/M2-Mo, ILT-2+/ILT-3+Mo、Bregフローサイトメトリーにより解析し、各疾患患者末梢血におけるICOS陽性Treg、Bregと自然免疫系細胞の関連性を検討した。その結果、IgG4産生制御では、TregとIL-10発現およびICOS分子の関連性を明らかにでき、成果を学会発表と論文発表できた。さらに、Bregとの関連に関しては、コントロール群と疾患群で有意差が認められており、現在、症例数を増やして確認作業中であり、確認後、論文を作成予定である。さらに自然免疫系についても、免疫制御機能を有するCD163+ M2単球(Mo)/マクロファージ(Mφ)における各種toll-like receptor(TLRs)を検討したところ、疾患群ではコントロール群に比して、有意なTLR-7の発現を認めた。現在これらの臨床例をもとに自己免疫性膵炎の1型、2型に相当する2種類の動物モデルの開発に成功しており、これらをモデルを用いた免疫・分子生物学的解析も開始しており、おおむね順調に進展しているものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
IL-10発現状況におけるTregとBregの関連性について更に検討を加えるとともに、自然免疫系との関連性をTLR7を中心にして解析を加える。特に、マクロファージや樹状細胞以外に担当する細胞の有無についても検討を加える予定である。臨床における自己免疫性膵炎の2つの亜型である1型、2型自己免疫性膵炎に相当する2種類の動物モデルの開発に成功しており、これらをモデルを用いた免疫・分子生物学的解析も推進する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
モデル動物の作成および臨床例の各病変臓器における免疫組織学的研究に必要な抗体や消耗品を中心に研究費を使用する予定である。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Regulatory T cells in type 1 autoimmune pancreatitis.2012
Author(s)
Uchida K, Kusuda T, Koyabu M, Miyoshi H, Fukata N, Sumimoto K, Fukui Y, Sakaguchi Y, Ikeura T, Shimatani M, Fukui T, Matsushita M, Takaoka M, Nishio A, Okazaki K.
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Journal Title
Int J Rheumatol.
Volume: 2012
Pages: 795026
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Possible role of ICOS positive and IL-10 producing regulatory T cells in patients with autoimmune pancreatitis.2011
Author(s)
K Uchida, T Kusuda, H Miyoshi, T Ikeura, Y Sakaguchi, K Yoshida, T Fukui, M Shimatani, M Matsushita, M Takaoka, A Nishio, K Okazaki
Organizer
Joint Meeting of the International Association of Pancreatology and Indian Pancreas Club
Place of Presentation
Kochi, Kerala, India
Year and Date
2011 – 025
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