2012 Fiscal Year Research-status Report
胃SM癌の術前転移予測と分子病理マーカーによる新たな内視鏡的根治判定基準の開発
Project/Area Number |
23591021
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岡 志郎 広島大学, 病院(医), 病院助教 (30403538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 信治 広島大学, 病院, 教授 (00260670)
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Keywords | 胃SM癌 / リンパ節転移 / 分子病理学的マーカー |
Research Abstract |
胃SM癌のリンパ節(LN)転移危険因子に関しては、ヘマトキシリン・エオジン (HE) 染色を用いた内視鏡治療では臨床病理学的解析の結果、非治癒切除と判定される胃SM癌でもLN転移のない症例の絞り込みが可能であることが明らかとなった。 現在、胃SM癌標本から抽出したDNAを用いた遺伝子解析により、LN転移に関連する分子病理学的マーカーを特定し、胃SM癌のLN転移リスクの予測に関して臨床応用の可能性を探索中である。具体的には、外科的切除後にLN転移の有無が確認された胃SM癌組織100検体(リンパ節転移陽性25検体、陰性75検体)のホルマリン固定パラフィン包埋切片を用いて、表層部とSM浸潤先進部をmicrodissectionし、PCRを用いてDNAを増幅させる実験(Polyacrylamide gelを作成し、RI等の試薬を混じたsampleをsupply後、電気泳動にて判定)を継続中である。現在、LN転移に関係するとされるMSI(α32dCP)や mitochondrial DNA 異常に注目し、胃SM癌のLN転移に関連する分子病理学的マーカーを解析中である。 上記の解析により、LN転移に関連する遺伝子異常やMSI等が特定されることで、胃SM癌LN転移危険因子が抽出されることが予測できる。その結果、内視鏡治療切除標本からLN転移のない胃SM癌の絞り込みが可能となり、内視鏡治療後のover surgeryを減少させることができる。さらに、病変部の生検標本からLN転移の有無が予測できることで治療方針決定に大きく寄与すると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1)胃SM癌のサンプル数が少なかったため、現時点では十分な結果が得られていない。統計学的な有意検定を行う上でさらなるサンプル数(特にリンパ節転移陽性胃SM癌例)を必要とするため。 2)東日本大震災の影響でRIがしばらく供給停止で入手困難なことにより、追加実験が困難な期間が半年程度あったため。 3)実験手法の確立に時間を要したことも一因と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
現行の実験を継続するとともに、サンプルサイズを増やすため多施設より検体を追加して集め解析予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験に必要な試薬の購入・研究報告のための出張費などを中心に使用する予定である。
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