2012 Fiscal Year Research-status Report
分子生物学的手法を用いた大腸腫瘍内視鏡的切開剥離術の安全性の検討
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23591023
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
長田 太郎 順天堂大学, 医学部, 准教授 (00338336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 直人 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10420845)
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Keywords | 大腸内視鏡 |
Research Abstract |
本研究は一括切除困難とされていた20mmを越える大腸腫瘍にESD(内視鏡的切開剥離術)を行うにあたり、術中、術後の合併症をいかに予防することを目的とした。traction systemである”S-O Clip”および術後潰瘍を容易に縫縮させる”Loop Clip”を開発し、実臨床で用いることにより、”S-O Clip”は術中操作性の向上に、”Loop Clip”は術後合併症の減少および術後潰瘍の修復にどれだけ貢献するか、症例をランダム化し両デバイスを用い、その有用性および安全性を科学的に検証した。 大腸腫瘍の内視鏡切開剥離術(ESD)後の発熱は約40%の症例に認めたが、血液培養および細菌のDNA検索を行うも明らかな菌血症を示す菌種は同定できず、ESD後の潰瘍面からの腸内細菌を含めた逆行性感染が発熱の原因とは考えにくいことが明らかとなり、現在論文作成中である。 大腸腫瘍の内視鏡切開剥離術におけるトラクション法(S-Oクリップ)の有用性を解明するためランダム化比較試験を行った。S-Oクリップを用いることにより、高い一括切除率を得ると同時に、有意に切除時間が短縮できることが明らかとなり現在論文投稿中である。 大腸ESD後に生じる粘膜損傷の修復に完全縫縮を行うことにより合併症予防および損傷修復に及ぼす影響について、術後1週間、4週間に創部を観察することにより検討中である。本研究もランダム化比較試験を行い検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例の蓄積は十分であり、ほぼ順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
大腸ESD後に生じる粘膜損傷の修復に完全縫縮を行うことにより合併症予防および損傷修復に及ぼす影響について、術後1週間、4週間に創部を観察することにより検討中である。本研究もランダム化比較試験を行い検討中である。症例の蓄積を今後も行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究で得られた結果を学会発表、論文作成を行っていく。 また、現在進行中の研究に対しては引き続き症例を重ね、クリップ作成、得られた結果を科学的に評価していく。
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Research Products
(5 results)