2012 Fiscal Year Research-status Report
慢性心不全患者に対するASV療法の心臓交感神経活性に対する効果の解析
Project/Area Number |
23591024
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
榊原 守 北海道大学, 大学病院, 助教 (90349366)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筒井 裕之 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70264017)
絹川 真太郎 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60399871)
|
Keywords | 慢性心不全 / 陽圧呼吸療法 / ASV / PET / 交感神経活性 |
Research Abstract |
慢性心不全治療の一つとして、現在注目されている夜間の呼吸を安定化させることができる呼吸補助装置であるASV(Adaptive Servo-Ventilation:順応性自己調節性人工換気療法)療法の効果の判定に交感神経活性の評価が重要である。2010年秋より、本邦で初めて使用可能になった交感神経活性の評価に有用な核医学検査の一つであるHED(11C-Hydroxyephedrine)- PETを利用して、ASV療法施行前、6~9週間後の交感神経活性評価を行い、慢性心不全に対するASVの有用性を検討した研究をおこなっている。現在、10名の方が、研究に同意いただき、HED-PETをASV施行前の検査を行った。8名の患者さまがASV施行9週間後に行い、交感神経活性の指標となるRetention indexが改善傾向を認めているが症例数が少ないために、統計学的な評価はできていない段階である。しかし、本研究の先行研究である、ASVの急性効果の検討において、スワンガンズカテーテル検査での血行動態の評価において、肺動脈楔入圧高値ならびに僧帽弁閉鎖不全症を有する重症心不全が最もASVにより1回拍出量の増加をもたらすことを証明できていることを日本循環器学会で発表し、現在、論文もcirculation journalにアクセプトされた。この先行研究結果も慢性期の交感神経活性にも大きく影響を与える根拠の一つになることが期待されており、現在施行している研究の結果によりASV療法が慢性心不全患者に広く使用されることが期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標症例数は、ASVを使用する群(ASV群):15例、ASVを使用しない一般的な標準心不全治療群(control群):15例である。現在、ASV群が10例、control群が3例と、症例数自体は、やや少ないものの、予想した結果が得られている。 HED-PET検査は、本院独自の核医学トレーサーを用いての評価のため、核種の安定性がえられなければ検査が行えず、スケジュール通りに検査が施行できないことがある。また、PET自体の機器の更新の時期にぶつかったため、症例数にやや伸び悩みがあった。
|
Strategy for Future Research Activity |
2013年5月中旬からは、通常通りの検査の稼働が可能なため、できるため、多くの患者をリクルートし、目標症例数まで達せるよう努力する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究経費の大半は、消耗品費及び旅費が主体となる ①消耗品:事務消耗品、印刷、複写費などである ②旅費: 1) 研究代表者が研究の関連した研究会及び学会の演題発表、講演を含めた参加 (年5回程度)研究成果を学会発表するための経費 2) 心臓交感神経活性の非侵襲的評価における世界トップ施設である米国ハーバード大学放射線診断学部門Dr. Di Carli 及び カナダオタワ大学放射線・循環器部門Dr. Rob S. B. Beanlandsの協力のもとに、研究手法の調査及び意見交換を行い、海外研究者との研究ネットワークを構築するための旅費を含めた交流費が主体となる ③その他:検査外注量や論文投稿料を必要とする
|
Research Products
(7 results)