2013 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化性冠動脈疾患における心外膜脂肪の意義に関する研究
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23591028
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
二藤部 丈司 山形大学, 医学部, 非常勤講師 (30400542)
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Keywords | メタボリック症候群 / 心外膜脂肪 / 動脈硬化 / マルチスライスCT |
Research Abstract |
冠動脈バイパス手術となった重症冠動脈疾患患者と非冠動脈疾患で開心術を行なった患者を対象とした検討では、マルチスライスCT(MSCT)で測定した心外膜脂肪容積(EAT)は、肥満症例(BMI 25以上)において差はなかったが、非肥満症例(BMI 25未満)においては、冠動脈疾患群で有意にEATが増加していた。非肥満症例における多変量解析では、EATの増加が冠動脈病変有病に対する独立した危険因子となり、心嚢液中のアディポネクチン濃度はEATと有意な負の相関を認めた。急性冠症候群(35例)と非冠動脈疾患群(45例)において同様に検討したところ、急性冠症候群において有意にEATが増加し、それは、肥満患者群において差は認めず、非肥満患者群にて有意な差を示した。また、異なる症例(254例)において、EATの他に、冠動脈プラーク、positive remodeling(PR)の有無をMSCTにて検討したところ、①プラークもPRも認めない群、②プラークは認めるが、PRを認めない群、③プラークもPRも認める群において、EATがそれぞれ36.5±25.4ml、41.3±24.5ml、65.6±31.0ml(P<0.05)と有意な差を認めた。MSCTにてプラークを認めた症例(34例)において、PRの有無と血中脂質との関連について検討した結果、PRの認めた症例では、血中LDL-C、non-HDL-C、LDL-C/HDL-Cがいずれも有意な高値を示した。 安定虚血性心疾患、急性冠症候群のいずれにおいても、動脈硬化性冠動脈病変の進展には、心外膜脂肪が関与している可能性が示唆された。プラークやPRなど冠動脈局所の変化においてもそれを裏付ける所見を得た。その病態には脂質異常の他にアディポネクチン分泌能低下が関与していると考えられる。特に非肥満患者におけるEATは新たなリスクファクターとなる可能性が示唆された。
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