2011 Fiscal Year Research-status Report
駆出率保持性心不全発症をもたらす心血管系因子の解明と治療法への応用
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23591029
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
新井 昌史 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60270857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉林 正彦 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00215047)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 心不全 / 駆出率 / バイオマーカー / 脳性利尿ペプチド |
Research Abstract |
平成23年度始めに、心不全患者を登録するためのデータベースシステムを構築した。心エコー図検査の指標を中心に、BNPなどの血液マーカー、心電図、胸部Xp所見、患者イベント(心不全による入院、死亡)などを検討項目とし、患者登録を開始した。また、過去に遡ってのデータ収集を始めており、心不全患者ならびに高血圧症患者の登録を行っている。 現時点での解析では、駆出率55%をカットオフ値として駆出率の低下した心不全患者と駆出率の保たれた心不全患者で血清BNP値を比較すると、前者では688 pg/mLであるが後者では164 pg/mLと、駆出率の低下した心不全でBNPが高い傾向を認めた。また、肺動脈圧も前者では38 mmH、後者では27 mmHgと差を認めた。症例数が少ないため、結論には至らないが、駆出率の低下した心不全の患者の方が、より重症な傾向を有することが推測された。心不全の既往のない高血圧性肥大心を有する患者では、BNPは正常値上限をわずかに超えた程度であり、三尖弁逆流から評価した細動脈収縮期圧も25 mmHg以下にとどまり、心不全患者とは有意差を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
解析患者数は、初年度で症例登録を開始して間もないため、各群ともに約20名と少数に留まっている。症例数からみた達成度は、3年間での目標症例数50名の40%である。 バイオマーカーについては、BNPは全例から採血できているが、採血量が多くなることもあり、全患者から同意が得られてはいない。一方、心エコーパラメーターに関しては、ほぼ全例において、詳細なデータ採取が出来ている。 全体として、初年度として、ほぼ順調な経過であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
心エコー指標が十分に得られるため、今後は心エコー指標を中心とした解析を進める。バイオマーカーとしては、BNPやhsCRPを中心に採血を進める。MRIや末梢血管の脈波測定を行えた症例は少ないため、今後、積極的に検査を行う予定である。今後、新規の症例登録を進めることはもちろんであるが、過去の症例のうち、本研究の趣旨に合致するものを選び、これらを加えて、目標の50例に到達するように努力する予定である。レトロスペクティブな解析を追加することによって、心不全死や心不全による入院など、ハードエンドポイントに関する情報を加えることができ、予後に関する解析が行いやすくなると期待される。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は、データ収集のための費用(データマネージャーの雇用費用、他院などへの出張によるデータ取得など)が年度初めの見込みより少なく済んだため、これを次年度に繰り越して継続使用することとする。 データ収集には、電子カルテ、心エコーレポート、心臓カテーテル検査レポート、その他多数の情報を収集し、EXCELを用いて作成したデータベースへ入力することが必要である。そのため、データマネージャーを雇用した。研究費は、そのための給与として、一部用いられる予定である。 また、研究費の一部は、保険適応から外れた採血項目のELISAによる計測にも用いる予定である。
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Research Products
(1 results)