2012 Fiscal Year Research-status Report
心筋における細胞内レニンと(プロ)レニン受容体の役割
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23591036
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
加藤 秀樹 浜松医科大学, 医学部, 助教 (80314029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早乙女 雅夫 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (70509512)
佐藤 洋 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (30293632)
林 秀晴 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50135258)
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Keywords | レニン / ミトコンドリア / 糖尿病 |
Research Abstract |
前年度までの研究で、糖尿病ラットの灌流心を用いた虚血再灌流実験において、糖尿病心筋では虚血再灌流障害がコントロールに比べて少ない事を報告した。また、糖尿病心では虚血時の組織内のプロレニン、レニン濃度が有意に増加していることも報告した。本年度は、糖尿病心の虚血時の組織内レニンの分布を電子顕微鏡を用いた金コロイド法により検討し、細胞質とミトコンドリアにレニンが発現していることを明らかにした。ウエスタンブロティング法でも同様に、細胞質分画、ミトコンドリア分画においてレニンの発現を確認した。さらに、レニンの発現による細胞障害の機構を検討するために、再灌流実験において直接レニン阻害剤(DRI)とアンギオテンシン受容体拮抗薬(ARB)を投与し、DRIが糖尿病心筋の虚血再灌流障害耐性を抑制し、ARBでは抑制されないことを明らかにした。この結果より、レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系を介した経路よりは、レニンによる直接作用の関与が考えられた。 今後は、組織レニンが、糖尿病心の虚血再灌流障害の耐性を発現する機構について、ミトコンドリアとの関連について詳細に検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
糖尿病心の虚血再灌流モデルにおいて、細胞質及びミトコンドリアにおけるレニンの発現の増加が、細胞障害を軽減する事を明らかにした。また、糖尿病心における虚血耐性へのレニンの作用機構として、レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系を介した経路ではなく、レニンによる直接効果の可能性がたかいことを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
今までの我々の研究結果は、糖尿病心の虚血再灌流障害において、心筋の細胞質とミトコンドリアに発現した組織レニンが、心筋保護的に働くことを明らかにした。このことは、糖尿病心筋の虚血再灌流障害の新たな病態解明に寄与することが期待される。今後は、組織レニンの増加が心筋を保護する機構について明らかにし、新しい虚血再灌流障害の治療戦略の確立について模索する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、組織レニンの増加が心筋を保護する機構について明らかにする目的で、組織内レニンのミトコンドリアに及ぼす効果について ①単離ミトコンドリアを用いたミトコンドリア膜電位の検討、 ②膜除去心筋細胞を用いた膜電位、ATPの測定、脱共益蛋白、酸化還元状態の変化について、 より詳細な検討し、レニンによる細胞保護機構を明らかにする。
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Research Products
(1 results)