2012 Fiscal Year Research-status Report
心不全における心腎連関のメカニズム-機能的腎予備力評価からのアプローチ-
Project/Area Number |
23591042
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
真野 敏昭 大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (90379165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 一博 鳥取大学, 医学部, 教授 (90303966)
坂田 泰史 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00397671)
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Keywords | 心不全 / 機能的腎予備力 / 腎血流ドプラ / 心腎連関 |
Research Abstract |
本研究の目的は、機能的腎予備力評価を、腎血流ドプラを用いた生理学的指標、メタボローム解析を用いた探索的研究による生化学的代謝指標を用いて行うことで、心不全における心腎連関のメカニズムを解明することである。 腎血流ドプラ法によるresistance index(RI)=(最大収縮期血流速-拡張末期血流速)/収縮末期血流速を機能的腎予備力評価方法として用い、CKD患者および心不全患者に対しての臨床研究を継続している。研究デザインは観察研究で、外来通院患者でeGFR 15~59 (CKD stage 2~4)の患者群(CKD群)とFramingham Heart Studyの心不全診断基準を満たし、心不全での入院歴がある患者群の2群で心エコー検査時に腎血流ドプラ評価を行った。アウトカム変数を腎エコーによる腎機能指標(RI)とし、説明変数として年齢、性別、身長、体重、心エコーデータ、採血データ、内服薬について解析を行っている。心不全群でRI値は有意に高値であり、左室拡張機能障害指標とRI高値には関連を認めた。また心不全患者で拡張不全患者と収縮不全患者に分けた場合のRI値の意義についても検討を行っている。高血圧性心不全ラットモデルの尿、血液サンプルを用いたメタボローム解析から心不全との関連物質候補を決定した。キャピラリー電気泳動法(CE)と飛行時間型質量分析法(TOFMS)と組み合わせたCE-TOFMS法を用いた検討から、食塩感受性と心不全の関連候補物質を見つけ、その機能解析をすすめるため、心不全モデルラットに対する投与実験を行い、心不全発症抑制効果があるという結果を得た。またその心不全発症抑制効果には心臓線維化の抑制が関与しておりその機序についてさらに検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床研究については観察研究による症例数も増加し、予定通りCKDおよび心不全患者について解析が進み、腎血流ドプラ法を用いた評価が心不全患者の病態診断に有用であるという結果を得ている。また心腎連関に関係の深い食塩感受性と心不全の関連候補物質を同定し、モデル動物に対する投与実験で心不全発症に関与するという結果を得、その機序についての検討がすすんでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
ラット高血圧性うっ血性心不全モデルにおける候補物質の機能解析を続けるとともに、心不全患者の血液および尿サンプルを用いた候補物質の解析を行う。心不全患者を拡張不全患者と収縮不全患者に分け、さらに検討を加える。機能的腎予備力指標として、生理学的指標、候補物質を含む生化学指標、そしてeGFRの3者を組み合わせて検討し、これらの指標が心不全患者、特に各心不全の病態と関連があるかどうかの検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
心不全モデル動物の作成、飼育費用および本モデル動物からの血液、尿、組織検体の解析費用に用いる。また心不全患者の候補物質解析のための費用に使用する計画である。
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