2013 Fiscal Year Annual Research Report
心血管疾患におけるROCK活性の役割:トランスレーショナル研究
Project/Area Number |
23591043
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
野間 玄督 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (00379893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 幸仁 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (40346490)
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Keywords | 国際情報交流 米国 |
Research Abstract |
<内容>In vivo研究では、ROCK2 KOマウスが、ROCK1 KOおよびWTマウスと比して脳虚血領域が低下すること、その機序がROCK2 阻害による内皮細胞eNOSの発現亢進によることを明らかにした。In vitro研究では、ROCK2によるeEF1A1のリン酸化を介したeNOS mRNAの不安定化が、その機序であることを明らかにした(投稿準備中)。さらに、マウス心肥大モデルを用いて、ROCK2がFHL2を介して心肥大を制御していることを明らかにした(FASEB. 2013)。 臨床研究では、非侵襲的な白血球ROCK活性を用いて検討した。高血圧患者における検討では、エプレレノン(アルドステロン阻害薬)、ロサルタン(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)の投与により血管内皮機能障害は改善したが、ニフェジピン(Ca拮抗薬)の投与では改善を認めなかった。一方、エプレレノン、ニフェジピンの投与によりROCK活性は低下したが、ロサルタンでは低下しなかった。これらより、ROCK活性は血管機能を反映するバイオマーカーとしては有用であるが、内皮機能検査とは異なった血管機能を示すことを明らかにした(Clin Pharmacol Ther. 2012)。さらに、ROCK活性が、心血管イベント発症を予測するバイオマーカーとしても有用であることを明らかにした(Hypertension. 2013)。 <意義・重要性>動脈硬化の発症と進展において、ROCK2がメディエーターとして重要な役割を担っており、新たな治療ターゲットとなり得ることをトラスレーショナル研究によって示した。バイオマーカーとしても、白血球ROCK活性が心血管イベント発症予測に有用であることを示した。現在のROCK活性評価はラボユーズと限定的であるため、さらなる簡易的ROCK活性測定の開発が期待されており、現在検討中である。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Rho-associated kinase is a predictor of a predictor of cardiovascular outcomes.2013
Author(s)
Kajikawa M, Noma K, Maruhashi T, Mikami S, Iwamoto Y, Iwamoto A, Matsumoto T, Hidaka T, Kihara Y, Chayama K, Nakashima A, Goto C, Liao JK, Higashi Y.
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Journal Title
Hypertension.
Volume: 64
Pages: 856-864
DOI
Peer Reviewed
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