2013 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化巣での原因歯周病菌の検出と同定による虚血性心疾患予防へのアプローチ
Project/Area Number |
23591051
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
副島 弘文 熊本大学, 保健センター, 准教授 (80332881)
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Keywords | 歯周病 / 歯周病スコア / 歯周病抗体価 / 歯周病菌DNA / 歯周病菌mRNA / 高血圧 |
Research Abstract |
歯科口腔外科で口腔内腫瘍切除の際に顔面動脈が切除され、そのまま廃棄される。その顔面動脈を患者さんの同意を得て無菌的に収集し、すぐに凍結保存した。その顔面動脈から3つの歯周病菌Porphyromonas gingivaris, Prevotella intermedia, Aggregativactor actinomycetemcomitansに対し、組織染色による動脈内の歯周病菌の検出、各歯周病菌特有のプラーマーを用いて歯周病菌のDNAおよびmRNAの検出を試みた。染色に際し前処置や温度設定など工夫をして免疫科学組織染色を行ったが、確定的な結果を得ることはできなかった。各歯周病菌に対する抗体の特異性が低かったためと思われる。また、これらの歯周病菌の顔面動脈内のDNA、mRNAの検出では、Porphyromonas gingivarisが最も頻度が多く、つぎにPrevotella intermediaでありAggregativactor actinomycetemcomitansはほとんど検出されなかった。このように顔面動脈内の歯周病菌の存在が確認できた。 冠動脈形成術を行った患者のバルーンから歯周病菌のDNAやmRNAによる検出を行った。Porphyromonas gingivarisが検出されたが、検出頻度の安定性が低く、この手法では動脈組織を用いたDNAやmRNAによる検出に比べて検出力は低いと考えられた。 協力していただいている歯科口腔外科の受診結果から歯周病重症度を判定して得られたperiodontal risk score (Renvert S et al, J Clin Periodontal 2003)はその歯周病患者のPrevotella intermediaに対する血清抗体価と有意な相関関係を認めた。このPrevotella intermediaに対する血清抗体価は血圧と良好な相関関係を示し、歯周病が動脈硬化や血圧にも関連していることを論文発表した。
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Research Products
(1 results)