2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23591060
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
馬場 彰泰 北里大学, 付置研究所, 研究員 (60296572)
|
Keywords | 拡張型心筋症 / 重症心不全 / アフェレシス / 免疫吸着療法 / 心筋自己抗体 |
Research Abstract |
平成24年12月より先進医療Bとして心不全アフェレシス治療が施行可能となった。平成25年5月までに4症例のべ7クールの治療を実施することができた。4例中1例は、治験の先行研究にて平成19年夏に1クール3回の治療をおこなった症例。2例は、国内治験に参加し追加治療を希望された症例。のこり1例は、虚血性心不全にて標準治療抵抗例の新規症例。過去に治療歴のある3症例は、左室駆出率が当時5%以上改善した「奏功例」であったが、時間経過とともに心抑制性抗心筋自己抗体が陽性となり、左室駆出率も徐々に低下もしくは治療前値へ戻った。これら4症例に加えて平成25年度には、およそ1~2例/月ずつの治療例を予定している。なお平成23年度に第4クール(国内最多クール数)を行った拡張型心不全症例は、その後も心不全悪化はなく外来通院を行っている。基礎研究については、protein active arrayにより検出された抗タイチン抗体は、IgG自己抗体そのものには陰性変力作用を持たないことがバイオアッセイの結果明らかとなったが、心不全が重症となるほど高頻度で認められることも判明した。心不全アフェレシス治療にて除去されるべき標的抗体というよりも、心不全一般のバイオマーカーと考えられた。また心筋細胞イオンチャネルKv1.4(昨年度非公開)に対する自己抗体が拡張型心筋症においても検出された。本チャネル抗体も、補体不活化によっても効果は不変であり、プロテインG前吸着による陰性変力作用が消失することが本年度明らかとなった。心抑制性抗心筋自己抗体では、このFabならびにFc部に切断すると、陰性変力作用が消失することが、バイオアッセイの結果で明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先進医療B(旧高度医療)の許可が当初計画よりも数ヶ月遅れたが、その後の治療希望者が予想より多かったため、計画の遅延にはつながらなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
基礎研究に関しては計画遅延ないため、計画どおりに実施していく。臨床研究もプロトコルどりに先進医療Bとして実施していく。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度の臨床研究(高度医療B)の費用に関しては、研究途上であったため未申請となっており、本年度にデータモニタリング後に請求予定です(昨年度中に4症例のべ7クール実施済)。同費用に関しては厚労省審議済の先進医療Bと同額(もしくは一部負担)とする予定です(被験者負担なしのため1症例100万円以上)。
|