2011 Fiscal Year Research-status Report
動脈硬化リスクの評価におけるLp(a)コレステロールの意義
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23591066
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
吉田 博 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (30333529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正田 暢 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (80266634)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | Lp(a)コレステロール / 動脈硬化 / 血管内皮細胞 / マクロファージ |
Research Abstract |
Lp(a)コレステロールの臨床的意義を評価するために臨床研究と基礎研究の両者を並行して研究を実施した。 臨床研究としては健診ドックを受診した男性対象者212名について、HPLCリポ蛋白定量法を用いてリポ蛋白分析を行った。Lp(a)は本来LDL粒子と関連することからLp(a)コレステロールとLDLコレステロールが相関をすることが予想されたが、r= 0.093と全く相関はなかった。一方、IDLコレステロールおよびVLDLコレステロールに対して、それぞれr= 0.188 (p< 0.01)およびr= 0.184 (p< 0.01)とLp(a)コレステロールは有意に相関した。また興味深いことにカイロミクロンコレステロールがr= 0.28 (p< 0.0001)とLp(a)に顕著に相関していた。したがって、Lp(a)コレステロールはTGリッチリポ蛋白のコレステロールと有意に関連することが判明した。またこれを支持するようにHDLコレステロールはLp(a)コレステロールと有意な逆相関を示した(r= -0.191, p< 0.01)。 基礎研究としては、血管内皮細胞(HUVEC)におけるLp(a)コレステロールのMMP-2とLR-11分泌に対する影響を検討するために、まずHUVECのMMP-2分泌に対するTNF-αおよびアンジオテンシン2(Ang2)の影響について実験系の確立を試みた。刺激薬を添加する場合の培養液中の血清濃度が実験結果に大きく影響することが判明し、実験系の確立が難航した。現在、使用血清の至適濃度が判明し、今後はその条件の再確認を行うとともに、Lp(a)およびLDLの刺激によるHUVECのMMP-2およびLR-11分泌効果について検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床研究としてはLp(a)コレステロールと他のリポ蛋白コレステロールとの関連性が確認されたところであり、動脈硬化との関連性や脂質低下薬のLp(a)コレステロールの影響は今後の課題である。 基礎研究としては血管内皮細胞における実験条件が確立されたところであり、実質的なLp(a)コレステロールの影響に関する成績は今後の課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床研究については、前年度の対象者にフラミンガムリスクスコアとLp(a)としたTGリッチリポ蛋白のコレステロール濃度との関連性を検討する。また、頸動脈エコーを評価した動脈硬化リスク患者のLp(a)コレステロール濃度を測定し、動脈硬化プラークの有無および重症度とLp(a)コレステロールの関連性について他のリポ蛋白を比較検討する。さらに、動脈硬化リスクを有する患者におけるスタチンおよびエゼチミブ治療によりLp(a)コレステロールがどのように変動するか検討する。 基礎研究については、前年度に確立した実験条件をもとにLp(a)およびLDLによるHUVECのMMP2およびLR-11分泌に対する影響を検討する。また、マクロファージ培養細胞を用いて、泡沫細胞形成におけるLp(a)コレステロール濃度の効果を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度はとくに基礎研究において実験条件の確立に難渋し、計画的は研究の進捗が達成できなかった。現在、実験条件が確立されたこともあり、前述の研究の推進方策に基づき、前年度の残りの研究費60万円と2年目の研究費を有効に活用し、研究成果が上げられるよう努める。 また臨床研究においても、前述の研究の推進方策に示したとおり、前年度の対象者以外の母集団に対して検討を進める予定である。以上の各研究を実施するために多くの試薬が必要となり、2年目の研究費を活用して研究を遂行する。
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Research Products
(2 results)