2012 Fiscal Year Research-status Report
動脈硬化リスクの評価におけるLp(a)コレステロールの意義
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23591066
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
吉田 博 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (30333529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正田 暢 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (80266634)
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Keywords | Lp(a)コレステロール |
Research Abstract |
一般的な血清脂質、血圧、糖尿病の有無、年齢などから得られるフラミンガムリスクスコア(FRS)とトリグリセリド(TG)リッチリポ蛋白(IDL、VLDL、カイロミクロンレムナント)およびLp(a)との関連性を検討した。Lp(a)コレステロールとFRSの関連性については有意な正相関で認められたが(n= 212, r= 0.143, p< 0.05)、TGリッチリポ蛋白に比べ、FRSとの相関性は軽度であった。またFRSの程度による細分化によって結果が異なることから、さらなる検討が必要であった。一方、TGリッチリポ蛋白とFRSの関連性については、IDLコレステロールが独立して正の相関が確認され、その成績については論文にまとめ投稿し、現在、Acceptable revised preparation with minor revisionの段階にあり、修正稿(2013年6月7日まで)を作成中である。併せて実施している研究として、別の臨床研究(スタチン高用量とスタチン通常用量・エゼチミブ併用の比較)の中で、Lp(a)コレステロールの変化を検討しており、現在、保険医療で測定できるLp(a)濃度とともにLp(a)コレステロール濃度の推移についても比較検討する計画になっている。その他として、Lp(a)の動脈硬化形成に関するメカニズムとしてアンジオテンシンIIとの関連性に注目し、現在、アンジオテンシンIIの血管内皮細胞におけるMMP-2の分泌増強について検討を進めている。また、薬物治療の研究として、Lp(a)と酸化LDLの評価のに着目して、スタチン治療により、Lp(a)は変化せず、酸化LDLは低下し、酸化リン脂質は増加することが確認され、その成績を論文発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
フラミンガムリスクスコア(FRS)とLp(a)コレステロールの関連性は軽度であることから、細分化したFRSの層別解析を行う。また、FRSは米国の絶対リスクスコアだることから、動脈硬化予防ガイドライン2012に掲載されている日本人の絶対リスクスコアで再検討を行う必要がある。同じ母集団におけるLp(a)コレステロールと血清MMP-2濃度との関連性を併せて検討する必要がある。その他として、上記概要に記載した薬物治療の臨床研究は現在進行中であり、結果の総括は今後の課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床研究においては血中のMMP-2濃度の測定、基礎研究ではLp(a)刺激による血管内皮細胞のMMP-2分泌濃度の測定および細胞培養などに、前年度残高分と今年度交付分とを併せて活用し、本研究の一定の結論が得られるように努める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
MMP-2濃度測定キットの購入、細胞培養の試薬および物品の購入などに残された研究費を運用する。
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Research Products
(5 results)