2013 Fiscal Year Annual Research Report
心臓線維化形成におけるEpacの役割と心不全治療への応用
Project/Area Number |
23591087
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
奥村 敏 鶴見大学, 歯学部, 教授 (60233475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 元彦 愛知医科大学, 医学部, 教授 (40292122)
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Keywords | シグナル伝達 / 循環器高血圧 / サイクリックAMP / 心不全 / 遺伝子改変マウス |
Research Abstract |
[目的] Epac1(exchange protein activated by cyclic AMP)は心筋細胞と線維芽細胞の双方に発現していることが報告されているが、平成25年度は心臓線維芽細胞に発現するEpac1が心臓線維化に重要であるかを検討した。[方法] 当初の計画では平成25年はEpac1TGとEpac1KOを交配して心筋細胞にはEpac1が発現するが、心臓線維芽細胞には Epac1 が発現しないトランスジェニックマウス(Epac1TG-Epac1KO)を作製して解析予定であったが、統計解析に必要な十分な個体数を得ることができなかったため、ラット胎児心臓線維芽細胞を用いたsiRNA実験で、カテコラミン刺激による心臓線維芽細胞の遊走能を指標に心臓線維化におけるEpac1の役割を検討した。[結果]1)イソプロテレノール刺激状態での心臓線維芽細胞遊走能をMTTアッセイで検討したが、siRNAによりEpac1をノックダウンした細胞の遊走能はコントロールと有意差は見られなかった。2)カテコラミン刺激による心臓繊維芽細胞遊走能には、ERK(tyr202/thr204), Src(tyr416)のリン酸化の亢進が重要であることが報告(JBC 2002)され、平成24年度に行った慢性カテコラミン刺激心不全マウスモデルの免疫染色の実験結果も、この結果を支持する所見が得られた。しかしながらEpac1をノックダウンしても、イソプロテレノール刺激状態でのERK1/2, Srcのリン酸化上昇に影響はなかった。[考察] 心臓線維芽細胞に発現するEpac1は、カテコラミン刺激による心臓線維芽細胞の遊走能亢進には関与しておらず、心筋細胞に発現するEpac1の心臓線維化における重要性が示唆された。なお本研究結果はEpac1TG-Epac1KOのn数が十分確保でき次第in vivoでも検討する。
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Research Products
(17 results)