2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23591092
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
針谷 敏夫 明治大学, 農学部, 教授 (70135557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 充代 (大橋 充代) 明治大学, 農学部, 兼任講師 (20445860)
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Keywords | 周産期心筋症 / プロラクチン / バソインヒビン |
Research Abstract |
周産期心筋症(PPCM)は、それまで健康だった女性が妊娠を機に心不全を発症する特異な心筋症である。本研究は、周産期心筋症と妊娠高血圧症候群患者(PIH)の検体血清を用い、1)切断プロラクチン(バソインヒビン:Vi)およびその切断酵素のカテプシンD(CathD)測定系を確立し、診断基準の作成を試みることと、 2)心筋症モデル細胞および周産期心筋症モデルマウスを作成し発症機序の解析を行うことである。 実験1)平成23年度にVi及びカテプシンD活性の測定方法を確立し、試験的にVi 及びカテプシンD活性測定を行った。平成24年度は、Vi測定系の測定精度向上と検体数の蓄積に取 り組み、約2-5倍に測定の安定性が向上した 。平成25年度は検体数も増加し、健常妊娠女性と比較し診断時のPPCMでは有意にVi値およびCathD活性が高く、海外での報告と同様に、日本においてもPPCM発症にVi、CathDが関与している可能性が示された。また、PPCMでは診断3ヶ月後、半年後、1年後においても Vi値が高い傾向にあった。PIH患者血中においては、Controlと比較して出産前から出産後すべての時期においてVi、CathD活性ともに高い傾向を示した。さらに、CathDと病状の間に有意な相関関係が見られた。血中Vi値とCathD活性値の測定による診断基準の設定にひとつの指標となる事が示された。 実験2)当初ALZETミニ浸透圧ポンプにてViを持続投与したマウスの作成に取り組んだ。しかしながら、投与マウスに大きな変化 は見られなかった。次に下垂体を腎皮膜下に移植し高プロラクチン血症マウスを作成し、心臓の変化の観察を試みたが、特に変化は見られなかった。培養細胞(HUVEC)を用いた実験では、Viが細胞活性低下・アポトーシス増加・細胞増殖抑制の作用を示し、Viの作用機序の解明に足がかりができた。
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Research Products
(5 results)