2013 Fiscal Year Annual Research Report
酸化脂質によるアンジオテンシン2受容体活性化の機序の解明と病態生理学的意義の検討
Project/Area Number |
23591102
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 浩一 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00528424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樂木 宏実 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20252679)
大石 充 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50335345)
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Keywords | 動脈硬化 / 酸化LDL / アンジオテンシンII / G蛋白共役型受容体 |
Research Abstract |
(最終年度の研究成果) (目的1)酸化LDLによるAT1活性化の機序の詳細な解明ーAT1とLOX-1の細胞膜上での結合が遺伝子特異的な現象であることを証明するためにAngiotensin II type 2 receptor (AT2)とLOX-1を導入したCHO細胞を作成し免疫沈降やin situ PLAを行ったがAT2とLOX-1では結合を認めずAT1とLOX-1の結合の特異性が証明された。酸化LDLによるβarrestin2依存性のAT1活性化の観察に関しては現在実験継続中である。(目的2)酸化LDLによるAT1活性化の病態生理学的意義の解明ーAT1a欠損マウスと野生型マウスから胸部大動脈を単離し、酸化LDLに対するAch依存性血管弛緩障害作用を検討した。その結果AT1a欠損マウスやAT1拮抗薬で前処置した血管では酸化LDLに対する弛緩反応が認められなかった。また高血圧自然発症ラットの腸間膜動脈の脂質沈着はAT1拮抗薬の前処置で抑制され本現象が病態生理学的にも意義があることが示唆された。 (総括) 研究計画全体として1)LOX-1がAT1と細胞膜上で複合体を形成している、2)酸化LDLとLOX-1の結合はAT1を活性化する、3)酸化LDLによるAT1の活性化は病態生理学的に意義のある生体反応を引き起こす、ことが示された。但し、本研究での主要な計画であるアンジオテンシノージェン(AGT)欠損マウスを用いた動脈硬化誘導実験に関してはAGTホモ欠損マウスが胎生致死となる問題が解決できず遂行することができなかった。マウスを提供いただいた筑波大学と連携し問題解決を試みており今後も研究継続していく。
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