2013 Fiscal Year Annual Research Report
分子標的による機能性HDL増加薬の開発-副作用の少ない新規抗動脈硬化剤の創製-
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23591109
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
岩本 紀之 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 客員研究員 (70534709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斯波 真理子 独立行政法人国立循環器病研究センター, その他部局等, その他 (70271575)
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Keywords | HDL / 核酸医薬 |
Research Abstract |
Tangier病は、血清HDLコレステロール濃度がほとんど0になる遺伝性疾患である。本研究は、その原因遺伝子であるABCA1を標的とし、革新的なBNA修飾された核酸医薬を用いることによって、効率的にABCA1遺伝子の発現をコントロールすることによって、HDL増加薬の創薬開発を目的とした基礎研究である。 ABCA1遺伝子転写活性メカニズムの検討により、転写調節因子AP2がProtein kinase D(PKD)によってリン酸化されることによってABCA1のプロモーター領域に結合し、ABCA1遺伝子の発現を負に制御することを見出した。 PKDをターゲットとした核酸医薬を用いて、AP2のリン酸化を抑制し、間接的にABCA1の活性化を誘導することによって、血清HDLの増加が実際に認められるかを検討した。 コンピューター解析により3種類のBNA修飾アンチPKD核酸を選択しマウス肝臓由来のNMULi細胞へのtransfection実験を実施。アンチセンス濃度依存性にPKDの発現抑制が認められたPKD-oligo-1を用いてマウスの腹腔内に投与することにより、ABCA1の発現レベルおよび血清HDLが増加するかを検討した。 アンチセンス投与1週間後に、マウスの血清および肝臓RNAを抽出した。Real-time PCR法にて肝臓におけるABCA1の発現レベルを調べたところ、アンチセンス投与群はコントロール(生食投与)群に比べ、有意にABCA1の発現レベルの増加が認められた。また総コレステロールレベルは、コントロール群に比べアンチセンス投与群でより増加を認めた。さらに血清のHPLC分析により、HDL-C分画の増加が認められた。以上より、BNA修飾されたPKD特異的なアンチセンス核酸の投与により、肝臓におけるABCA1の発現レベルが増加し、血清HDL-Cの増加が認められることが示唆された。今後実用化のためには、より詳細なデータの蓄積とさらなる検討が必要である。
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