2013 Fiscal Year Annual Research Report
Thバランスの制御による難治性喘息に対する新規治療法の探索
Project/Area Number |
23591112
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
森島 祐子 筑波大学, 医学医療系, 講師 (10375511)
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Keywords | 難治性喘息 / Th17細胞 / RORγt / IL-17 / IL-6 |
Research Abstract |
喘息の病態にはTh2サイトカインと好酸球が深く関与している。一方、難治性喘息患者ではしばしば気道内に好酸球のみならず好中球の浸潤を認め、ステロイド抵抗性を示すことが知られている。これらの患者では喀痰中のIL-17が増加し、そのレベルが喘息の重症度と相関するとの報告もあり、IL-17が難治性喘息の成立に関与している可能性がある。Th17細胞の分化誘導には転写因子RORγtが中心的役割を果たしているが、気道炎症におけるRORγtの役割についてはわかっていない。そこで、RORγt過剰発現によって誘導されるTh17サイトカイン環境が難治性喘息をもたらす要因の一つではないかと考え、検討を行った。 まず、RORγt過剰発現マウス (RORγt-tg)と、Th2分化誘導に重要な転写因子であるGATA-3過剰発現マウス (GATA-3-tg)を用い、OVA誘導性気道炎症を誘導した。その結果、GATA-3-tgにおいては、Th2サイトカインが優位な環境下でステロイド反応性好酸球性気道炎症が誘導され、RORγt-tgにおいては、IL-17A、IL-22などのTh17サイトカインが優位な環境下でステロイド抵抗性好中球性気道炎症が誘導された。同時に、RORγt-tgの肺では、KC、MIP-2などのCXCケモカインやIL-6が有意に増加していた。さらに、RORγt-tgにおいて、IL-17A、KC、MIP-2、IL-6をブロックすることで ステロイド抵抗性好中球性気道炎症が抑制された。 以上より、RORγtを過剰発現する状況下ではTh17サイトカインが優位となり、ステロイド抵抗性好中球性気道炎症が誘導されることが明らかになった。また、Th17サイトカイン、CXCケモカイン、IL-6がその病態に関与しており、それらをブロックすることで、ステロイド抵抗性好中球性気道炎症を抑制し得ることが示唆された。
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[Presentation] Anti-IL-6 receptor antibody attenuates neutrophilic airway inflammation in RORγt-overexpressing mice2013
Author(s)
Ano S, Morishima Y, Ishii Y, Kaneko Y, Fujita J, Ohtsuka S, Matsuyama M, Nakazawa K, Ohta K, Matsuno Y, Kawaguchi M, Sakamoto T, Hizawa N
Organizer
2013 International Conference of American Thoracic Society
Place of Presentation
Philadelphia, USA
Year and Date
20130521-20130521
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