2013 Fiscal Year Annual Research Report
慢性閉塞性肺疾患におけるオキシステロールの役割の解明
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23591126
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
杉浦 久敏 東北大学, 大学病院, 講師 (20445092)
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Keywords | 慢性閉塞性肺疾患 / オキシステロール / 肺線維芽細胞 / 組織改変 / 幹細胞 / 組織修復 / 細胞老化 / 活性窒素種 |
Research Abstract |
本研究の目的はCOPDにおける酸化型コレステロール(オキシステロール)の役割を解明するものである。我々は、研究実施期間中に、COPDの病態に強く関与すると思われる分子として新たにオキシコレステロールの過剰産生がCOPDの病態、特に末梢気道病変の線維化の形成および細胞老化に関与することを発見した。さらにオキシステロールの産生酵素であるcholesterol 25-hydroxylaseやsterol 27-hydorxylaseの発現がCOPDでは増強していることも新たに発見した。加えて、酸化型コレステロールの一種である25-hydroxycholesterol(25-OHC)や27-hydroxycholesetrol(27-OHC)はCOPDの気道および肺実質において過剰産生されており、気道の線維化(Chest 2012, Respirology 2012, Respir Res 2012, Exp Cell Res 2013)や細胞老化(投稿準備中)に強く関与することを見出した。また、ヒト肺線維芽細胞では、活性窒素種の投与によって蛋白分解能が亢進し、この作用は、気管支拡張薬で抗炎症作用を併せ持つテオフィリンによって抑制されることを新たに発見した(Am J Physiol2012)。さらにCOPD由来の肺線維芽細胞は修復機能が喪失されている事実を踏まえ、根本治療として、幹細胞由来から肺線維芽細胞を分化させる研究に着手し、これに成功し、一定の成果を上げた (J Allergy Clin Immunol. 2011)。一方で実験計画書に記載したCOPD患者由来の肺線維芽細胞に対するオキシステロールの効果については、ヒト手術肺検体の集まりが思いのほか、困難であったため遂行できていない。しかしながら、当院呼吸器外科とも緊密に連携を取り、COPD肺線維芽細胞の培養を継続している。
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Research Products
(9 results)