2012 Fiscal Year Research-status Report
気管支鏡検体を用いたmicroRNAによる非小細胞肺癌の組織型診断
Project/Area Number |
23591131
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
品川 尚文 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20431372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 卓 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (60322343)
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Keywords | 非閉塞性肺疾患癌 |
Research Abstract |
2006年〜2010年に当院で気管支鏡検体によりNSCLCの診断がなされ、切除術が施行された159例。125例で経気管支生検、117例で気管支擦過細胞診、5 例で経気管支針生検による診断が行われた。 気管支鏡検体にて扁平上皮癌(Sq)と診断された37例のうち,術後Sqと診断されたものが34例、Sq以外のNSCLCが2例,小細胞癌(Sm)が1例であった。一方、気管支鏡でSqとは診断されなかったNSCLC(non-Sq)122例のうち、術後Sq以外のNSCLCであったものが112例、Sq9例、Sm1例であった。Non-Sqの肺癌が、気管支鏡でSqと診断されない感度(Sqと診断されることの特異度)は97.4%であった。またSqが気管支鏡でSqと診断される感度(Sqと診断されないことの特異度)は79.1%であった。 気管支鏡で得られた検体のうち、細胞診(n=117)による気管支鏡でSqと診断されない感度(Sqと診断されることの特異度)は98.8%であった。またSqが気管支鏡でSqと診断される感度(Sqと診断されないことの特異度)は63.6%であった。 これらの診断に用いられた免疫染色はTTF-1, p63を用いて行ったが、その主な目的は転移性肺腫瘍との鑑別を目的として行われたものであった。 現在、これらの組織を系統的に免疫染色する方針で検体の収集を計っている。また、microRNAによる判別が可能か検討を行うため、気管支鏡細胞診検体からRNAを保存するためのバッファーへの適切な処理方法、保存方法などの検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ホルマリン固定された検体からのRNAの採取が困難。新たに採取した気管支鏡検体からのRNAの抽出のための検体保存などが難しい。これまでの検体を用いた検討も、気管支鏡検体の新たな切り出しや、手術検体の新たな切り出しを行うと気管支鏡での生検検体が微小検体であり、腫瘍組織が採取された検体の一部にしかない場合もあり、新たな切り出しが困難な場合も珍しくはない。方法の見直しに時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
RNAの保存方法の検討を他施設の先生の協力も仰ぎ、方法を確立したい。最終的なSq, non-Sqの判断を病院病理の判断を中心に行うことで簡潔化させ、RNAの測定に集中させたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主に新たに採取した検体を用いての検討を予定する。Sq, non-Sqの判断については、基本的に病院病理の判断を利用し、必要に応じて免疫染色の追加をお願いすることとしたい。細胞診検体のRNA抽出方法の確立と共に、測定を行いたい。 福島県立医大においては検体の扱い方針が固まらなかったことで、未使用金が発生した。来年度中に本年度分も含め検体処理を推し進める予定であり、採取した検体の免疫染色などに使用する予定である。
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