2013 Fiscal Year Annual Research Report
間質性肺炎・肺線維症における細気管支と肺胞上皮間のクロストークの解明と制御
Project/Area Number |
23591150
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
浜田 直樹 九州大学, 大学病院, 助教 (00423567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前山 隆茂 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40380456)
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Keywords | 間質性肺炎 / 肺線維症 / 細気管支上皮細胞 |
Research Abstract |
肺線維症は、肺胞上皮細胞の損傷とその正常な修復機構の破綻による線維化が病変の主体であると考えられており、これまで肺胞上皮細胞に着目した研究が進んできた。我々は、以前、マウスブレオマイシン(BLM)肺臓炎モデルにおいて、HMGB1の免疫染色により、ブレオマイシン投与後初期には、肺胞上皮細胞ではなく、細気管支上皮細胞に、損傷が起き、その後肺胞上皮細胞に損傷が広がることを報告した。細気管支上皮細胞が肺胞上皮細胞の損傷治癒や線維化において、重要な役割を担っているのではないかと考え、動物モデルにて実験を開始した。 マウスにナフタレンを投与して細気管支上皮細胞を脱落させ、細気管支上皮細胞が存在しない状態を作成し、そこにBLMを投与した効果を検討した。すると、肺臓炎と線維化が著名に抑制されることを見出した。細気管支上皮細胞が存在しない状況では、BLMによる肺胞上皮細胞の損傷・線維化が進行しにくいと考えられ、また肺胞上皮細胞には当初は損傷が認められないことより、細気管支上皮細胞と肺胞上皮細胞間になんらかのクロストークがあることが示唆された。そこで同モデルにおけるマウス肺の細気管支上皮細胞を、レーザーキャプチャーマイクロダイセクションにて選択的に採取し、マイクロアレイ法にて網羅的に解析したところ、ナフタレン単独投与群と比較して、ナフタレン+BLM投与群では11遺伝子が5倍以上発現の亢進を認め、一部に気道分泌物に関連する遺伝子が含まれていた。また14遺伝子が5倍以下に発現が減弱しており、一部に細胞外基質分解酵素が含まれていた。現在,論文作成中であるが、今後、発現に変化のあった遺伝子に着目し、更に解析を進めていく予定である。
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