2011 Fiscal Year Research-status Report
特発性肺線維症における炎症細胞アポトーシス誘導因子の臨床応用
Project/Area Number |
23591153
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
濡木 真一 大分大学, 医学部, 助教 (50423702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 英士 大分大学, 医学部, 教授 (00264333)
石井 稔浩 大分大学, 医学部, 助教 (00528911)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 特発性肺線維症 / 炎症細胞 / アポトーシス |
Research Abstract |
特発性肺線維症は肺の線維化により進行性の呼吸不全をきたす難治性肺疾患である。特発性肺線維症の病態における重要な特徴は、肺病巣局所においてリンパ球増加がみられないことである。近年我々はリンパ球アポトーシス誘導因子であるReceptor-binding cancer antigen expressed on SiSo(RCAS1)が特発性肺線維症の肺病巣部に高発現していることを見いだした。特発性肺線維症の病巣においてリンパ球の過剰なアポトーシスが誘導されており、そのためリンパ球からのinterferon-γ(IFN-γ)産生が低下し、過剰な線維芽細胞の活性化・増殖、コラーゲンの沈着、瘢痕形成を引き起こし、肺線維化を促進するものと考えられている。一方、活性化されたリンパ球にはRCAS1 のreceptor が存在しており、RCAS1がその受容体を介して活性化されたリンパ球のアポトーシスを誘導し、その増殖を抑制することが明らかになっている。本研究の目的は、特発性肺線維症におけるRCAS1 の肺線維化における役割を解明し、最終目標は治療応用へ発展させることである。計画している研究の具体的項目は、(1)特発性肺線維症の気管支肺胞洗浄液・肺組織中RCAS1, IFN-γ発現の検討、(2)特発性肺線維症におけるRCAS1産生細胞の同定、(3) 特発性肺線維症でのRCAS1特異的なリンパ球アポトーシスの誘導作用とIFN-γ産生の検討、(4) ブレオマイシン肺線維症マウスモデルにおけるRCAS1発現亢進・低下による肺線維化の影響の検討、である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(1)特発性肺線維症の気管支肺胞洗浄液・肺組織中RCAS1, IFN-γ発現の検討;特発性肺線維症における気管支肺胞洗浄液中RCAS1濃度は、非特異的間質性肺炎、健常ボランティアと比較して有意に高値であることを見いだした。そのRCAS1濃度は気管支肺胞洗浄液中リンパ球数と有意に負の相関を示しており、RCAS1がリンパ球のアポトーシスに関与している可能性が示唆された。IFN-γ発現の検討に関しては今後行う予定である。(2)特発性肺線維症におけるRCAS1産生細胞の同定;免疫染色では特発性肺線維症の肺組織では、RCAS1はII型肺胞上皮細胞において陽性であり、単位面積当たりの陽性細胞数は非特異的間質性肺炎、肺癌組織の健常部分と比較して有意に高値であった。(3) 特発性肺線維症でのRCAS1特異的なリンパ球アポトーシスの誘導作用とIFN-γ産生の検討;この実験に関しては行えていないため、次年度以降に行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
ブレオマイシン肺線維症マウスモデルにおける研究において(1) RCAS1過剰による肺線維化への影響、(2) RCAS1抑制による肺線維化への影響に関して研究を進行する予定である。昨年度遂行できなかった気管支肺胞洗浄液、肺組織中IFN-γ発現の検討、特発性肺線維症でのRCAS1特異的なリンパ球アポトーシスの誘導作用とIFN-γ産生の検討も併せて行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1) 特発性肺線維症患者サンプルを用いた研究において、細胞培養、Apoptosis同定のための試薬購入が必要である(昨年度繰り越し研究分)。(2) 肺線維症マウスモデルの実験において、動物の購入、ウエスタンブロット、Real-time PCR、免疫染色、細胞培養、Apoptosis同定のための試薬購入が必要である。(3) 研究成果のための学会旅費が必要となる。
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