2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23591156
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
小栗 鉄也 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60363925)
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Keywords | ABCC11 |
Research Abstract |
SNP538の異なる2つのABCC11遺伝子強制発現細胞株HeLa-538G(V5)とHeLa-538A(V5)および親株において、Ppemetrexed(MTA)やMethotrexate (MTX)に対するIC50を測定したところ、HeLa-538G(V5)は親株と比較して両薬剤とも耐性を有し、HeLa-538A(V5)は親株と比べ両薬剤とも変化はなかった。またMTXの細胞内濃度の測定したところ、HeLa-538G(V5)は親株と比較してMTXの細胞内濃度が低下し、、HeLa-538A(V5)は親株と比べ細胞内濃度に変化を認めなかった。 MTA感受性規定因子検討の中で、我々は肺癌細胞株を用いてthymidylate synthase (TS)の遺伝子増幅を調べたところ、TSの遺伝子増幅とMTA感受性の間に負の相関関係を認めた。さらに肺がんの診断時に気管支鏡検査で得られた25検体の組織の腫瘍部位よりDNAを抽出し、TSの遺伝子増幅を調べたところ、過去の免疫組織染色の結果と同様に、扁平上皮癌(11検体)では腺癌(14検体)と比較して、TSの遺伝子増幅が亢進していた。さらに腺癌症例ではすべてプラチナ製剤とMTAの併用療法がおこなわれていたが、TSの遺伝子増幅増幅の亢進していた症例ではプラチナ製剤とMTAの併用療法の効果がなく、その腫瘍縮小の奏効率とTSの遺伝子増幅増幅に有意な相関を認めた。以上の結果からTSの遺伝子増幅がMTAおよびプラチナ製剤とMTA併用療法の効果予測マーカーになり得る可能性を認め、学術雑誌Anticancer Researchに投稿し採択された(掲載待ち)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SNP538の異なる2種類のABCC11強制発現細胞株を樹立し、vitroにおいてそのSNPにより葉酸代謝拮抗薬の細胞内濃度が変化し、薬剤の殺細胞効果に差が出ることを確認できた。現在IIIB+IV期または術後再発で、プラチナ製剤とMTA併用の化学療法を行った非扁平非小細胞肺がん患者の血液サンプルよりDNAを抽出し、治療効果とABCC11のSNPとの関連について臨床的な検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
IIIB+IV期または術後再発の非扁平上皮患者の血液サンプル、肺癌理組織検体の症例蓄積をさらに行い、MTA効果予測因子としのABCC11遺伝子多型の床的な意義を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主には実験の消耗品に使用するが、学会発表の旅費や論文投稿料にも一部使用予定である。
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