2012 Fiscal Year Research-status Report
肺高血圧症血管リモデリング形成過程におけるIL-17の役割の解明
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23591166
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Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
丸山 淳子 鈴鹿医療科学大学, 医用工学部, 教授 (50263017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 琢磨 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60224515)
丸山 一男 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20181828)
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Keywords | 肺高血圧 |
Research Abstract |
(1)野生型マウス(WT)とIL-17欠損マウス(KO)において、肺高血圧発症過程における転写因子、増殖因子,接着因子、血管作動性物質等の発現の経時的変化(低酸素暴露 0日、3日、7日、14日、21日) の解析をreal time PCR 法で検討した。その結果、 WTではVEGF、 GCSF、TNFalpha、 CCL2などがKO と比較して上昇傾向がみとめられた。 (2)前年度に行ったホルマリンによる肺組織固定法は、シグナルとしてとらえられる抗原が αSMA など一部に限られていたため、今年度は、メタノール、クロロフォルム、氷酢酸混合液による組織固定法を試みた。野生型(WT)マウスとIL-17欠損(KO)マウスを用いて、低圧低酸素曝露を行った 。WT、KOマウスをそれぞれ低圧低酸素曝露群(hypo)および大気圧コントロール群(norm)に分け、21日間飼育した。実験手技の難度が高いため、さらに、検体数を増やした上で、実験を続行する必要があると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウスの昨年度行ったreal time PCR 法では、各検体のばらつきを解消し、傾向を把握するため、複数の検体を混合して、転写因子、増殖因子,接着因子、血管作動性物質等の発現の経時的変化のスクリーニングを行った。統計学的な検討をさらに進めるためには、現在の検体数では十分とはいえないため、今年度はさらに検体数を増やした上で、実験を続行する必要があると考える。また、昨年度行った固定法については、実験手技の難度が高いため、同様に、検体数を増やし、各種抗原について検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度からさらに検討を続行するとともに、肺組織の炎症の程度、血管構成細胞のアポトー シスの変化、および、血管機能の変化についての検討を、以下のように行う。 (1)同モデルでの摘出肺血管の血管緊張性・血管反応性の違いの解析ー脱血により安楽死させた低酸素暴露マウスから肺を摘出し, リング状血管片を作成し,Krebs Henseleit 溶液に浸し,各種血管収縮物質、内皮依存性血管弛緩物質、内非依存性血管弛緩物質に対 する血管反応性の変化を検討する。 (2)肺血管リモデリング、炎症、血管構成細胞のアポトーシスの程度の解析ー昨年度試みた固定法によるマウス肺パラ フィン標本の数を増やし、炎症性細胞浸潤の程度、血管内皮細胞および血管平滑筋細胞のアポトーシスの変化を確認する。 (3)肺高血圧発症過程におけるIL17ファミリーサイトカイン、転写因子、増殖因子,接着因子、血管作動性物質の発現の経時的変化 の解析ー野生型マウスとIL17KOマウスにおいて、低酸素暴露0日、3日、7日、14日、21日の時点で肺を採取し、IL17A, RORgamma t, IL23p19, GCSF, VCAM-1, ICAM-1, TNFalpha, IL1beta, IL6, MCP-1の発現の経時的変化をreal time PCR 法、およびwestern blot 法で検討し、肺高血圧発症過程との関 連を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
野生型マウス購入費、及び野生型およびIL-17欠損マウス飼育費、real time PCR, western blot, 組織染色、細胞培養、血管張力実験の試薬購入などへの使用を予定している。
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Research Products
(2 results)