2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23591167
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
田端 千春 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (90432393)
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Keywords | 間質性肺炎 / サイトカイン / 血管新生 / レチノイド / サリドマイド / 酸化ストレス / 中皮腫 / サイトカイン |
Research Abstract |
悪性胸膜中皮腫は中皮細胞由来の悪性腫瘍であり、発生には石綿・アスベスト曝露の関連性が高いとされている。現在ではアスベスト使用規制により曝露環境は減少しているが、アスベスト曝露後20-40年という長い潜伏期間を経て発症するため、悪性胸膜中皮腫患者は今後もさらに増加傾向を辿ると考えられる。発症後の進行は早く化学療法や放射線療法などの治療に抵抗性を示す。最近ではシスプラチン+ペメトレキセドによる化学療法が第一選択薬として用いられているが、平均生存期間は8-18カ月と全生存期間延長に寄与する効果は乏しく、いかに早期治療介入するかが重要である。その為にはアスベスト曝露歴のある症例を無症状のうちにスクリーニングする必要がある。しかしながら悪性胸膜中皮腫は画像や組織生検での診断が非常に難しく、診断補助となるような臨床的意義のある血清マーカーに乏しく、その開発が急務と考えられる。 現在までに、活性酸素(ROS)と悪性胸膜中皮腫の発生と関与するアスベスト毒性の関連が示唆されており、このROSを調節する抗酸化物質としてチオレドキシン(TRX)が挙げられる。またがんの浸潤や転移には細胞外マトリックスが重要でありそれにはMMPが関与する。今回の研究成果として、血清TRX濃度や胸水MMP-3測定が悪性中皮腫における臨床上有用なバイオマーカーであることを実証した。またがんの診断にはFDG-PETが有用であるが、現在まで悪性中皮腫におけるFDG-PETの検討が報告が少なく、今回検討した結果、悪性中皮腫におけるFDG-PET有用性を実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予後不良である悪性中皮腫におけるチオレドキシンおよびMMPの臨床における有用性を実証した。また中皮腫におけるFDG-PETの有用性を実証した。
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Strategy for Future Research Activity |
中皮腫における臨床上診断および予後予想に有用なバイオマーカーの確立を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
悪性中皮腫の血清・胸水バイオマーカーの確立 間質性肺炎の新規治療開発 慢性閉塞性肺疾患の新規治療開発 に向けて、基礎および臨床研究を遂行する。
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Research Products
(7 results)