2011 Fiscal Year Research-status Report
HB-EGFを中心にした肺線維症・間質性肺炎新規治療法開発
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23591171
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
藤田 昌樹 福岡大学, 医学部, 准教授 (50325461)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内野 順治 福岡大学, 医学部, 講師 (80432946)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 肺線維症 / HB-EGF |
Research Abstract |
本研究の目的としては、HB-EGFの呼吸器疾患における役割、特に肺線維症、間質性肺炎に対する役割を明らかにし、新規治療開発に結び付ける事である。HB-EGFはEGFファミリーに属するヘパリン結合性の増殖因子で、表皮細胞、心筋細胞、血管内皮細胞、平滑筋細胞、マクロファージなど種々の組織、細胞より分泌され、細胞の増殖や分化、炎症反応などに関わっている。しかし、呼吸器疾患における役割は明らかではない。このため呼吸器疾患、特に肺線維症、間質性肺炎を中心に研究を進め、HB-EGF発現の有無、HB-EGF強制発現もしくはHB-EGF抗体による呼吸器疾患への影響を検討予定である。本年度は、(1)マウスモデルおよびヒト検体を用いてのHB-EGFの発現検討、(2)検討結果を利用して、HB-EGFの線維化への影響について検討を行う予定だった。実験の結果、以下のデータが得られた。(1)肺線維症モデルとして、ブレオマイシンモデルを使用し、HB-EGFのmRNA発現を検討した。投与早期の炎症時期ではHB-EGFの発現は高値だが、後期の線維期では低値を示す。ヒトの肺線維症のmRNAの検討でも発現は低値を示した。一方、流血中HB-EGFでは高い傾向を示した。(2)これらの検討結果から、線維化肺ではHB-EGF産生が抑制されていると考えられた。アデノウイルスベクターによる過剰発現を利用して、HB-EGFによる修飾を検討を行うこととした。そのため、HB-EGF発現アデノウイルスベクターを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は本年度は、(1)マウスモデルおよびヒト検体を用いてのHB-EGFの発現検討、(2)検討結果を利用して、HB-EGFの線維化への影響について検討を行う予定だった。当初の予定通りに進行が得られていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後HB-EGFの線維化への影響、および、機序検討を行っていく。まず、アデノウイルスベクターによるHB-EGF過剰発現により、線維化がどうなっていくのかを検討する。また、機序検討についての実験、炎症、アポトーシスマトリックスメタロプロテアーゼ、シグナルの検討を進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
アデノウイルスベクターは完成しており、実際にウイルスベクターを動物へ投与する。これらの動物実験、および動物実験で得られた試料解析を中心に研究費を使用する。
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