2011 Fiscal Year Research-status Report
microRNA・尿プロテオーム解析による腎障害発症機序の解明とその臨床応用
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23591178
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
今田 恒夫 山形大学, 医学部, 准教授 (60333952)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | microRNA |
Research Abstract |
平成23年度は腎疾患患者の尿中microRNAと腎組織所見、尿所見との関連について検討した。【方法】当院に入院した腎疾患17例(半月体形成性腎炎4例、糖尿病腎症4例、IgA腎症6例、微小変化群3例、平均年齢52歳、男性53%)と健常者2例について、早朝尿中microRNAを抽出後、RT-PCR法にて腎疾患との関連が指摘されているmicroRNA (miR-30c, -133b, -192, -200a, -200b, -200c)の発現を内因性コントロール(miR-92)との比で定量化し、尿蛋白、eGFR、腎組織変化、原疾患との関連を検討した。【結果】尿中microRNAは健常者も含め全例で抽出可能であった。健常人と比較し、腎疾患ではmiR-133bは増加、他のmiRは低下していた。推定GFRとmiR-192は正相関傾向(P=0.073)を、尿蛋白量とmiR-133bは正相関を示した(P=0.0005)。腎生検組織での糸球体内増殖性変化とmiR-30cは逆相関を示した(P=0.0005)。疾患別では、半月体形成性腎炎のmiR-30c発現量が他の腎疾患と比較し低値であった。【結論】尿中miRは定量可能であり、腎障害の程度や原疾患と関連することから、腎臓病の診断、病変評価に使用できる可能性が示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定した、尿中microRNAの抽出、評価に成功し、組織・尿所見、組織microRNAとの関連についての解析まで進んでいる。ただし、尿プロテオームと尿microRNAの関連については、当初予想した関連が認められていない。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)ヒト腎疾患症例における尿・組織microRNA、組織、尿所見の関連について、例数を増やし、これまでの知見を検証する。(2)上記の知見を動物モデルで確認する。(3)コホートにおけるmicroRNAの疾患マーカーとしての有用性を検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ヒト症例または動物モデルにおける組織、尿microRNA、尿プロテオーム解析を進める。microRNA関連試薬に1,000千円、動物飼育費に200千円、ピペットチップ類に50千円の予算を計上している。
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Research Products
(5 results)