2011 Fiscal Year Research-status Report
ヒト腎臓細胞由来iPS細胞による次世代人工腎臓作成の試み
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23591183
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菱川 慶一 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (50255460)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | iPS細胞 / 再生医療 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
平成23年度は以下の手順で研究を実施した。ヒト腎臓細胞由来iPS細胞の樹立1、ウイルス産生:山中4因子を導入する為にPlat-E細胞に4因子のベクターとpSVGL-1をtransfectionし、48時間御に得られたウイルスを回収する。2、遺伝子導入:Polybrene 4μg/mlの存在下で、24時間ウイルス液中でヒト腎臓細胞を培養し、4因子を導入する。遺伝子を導入したヒト腎臓細胞は6日間維持培養用の培地で培養し、6日目にMEF (mouse embryonic fibroblast)へ播種し、その後ES細胞用培地で培養する。3、コロニー選択:一日おきに培地を交換し、14-21日コロニー形成を観察し、メサンギウム細胞、近位尿細管細胞それぞれから24コロニーを選択する。4、クローンの選択:得られたクローンのコロニーの未分化能を確認するため、ALP、Oct、Nanog、SSEA-3、SSEA-4、TRA1-60、TRA1-81の染色を行う。24コロニーのうち、染色が良好なクローンを12個ずつ選択する。5、未分化能の確認:選択したクローンの未分化能をPCR(Oct, Nanog, Rex-1)、FACS (Oct,SSEA-3、SSEA-4、TRA1-60、TRA1-81)で評価し、メサンギウム細胞、近位尿細管細胞それぞれから、12クローンのうち、上位6クローンを選択する。23年度では、6つのクローンが得られ、現在Affimetrix社Human Genome U133A Plus2.0によりマイクロアレイ解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
東日本大震災の影響を東大でも受け、研究施設の一部の破損があり、研究開始が遅れた。しかし、その後は概ね順調に進んでおり、24年度には遅れを取り戻せると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
Infinium解析で得られた遺伝子を特異的かつ強制的にOFFあるいはONとすることにより、腎臓由来iPS細胞から効率良く腎臓構成細胞を分化誘導する。さらに、分化誘導された細胞を既報のデバイスに播種し、SCIDマウスへ移植することにより、次世代人工腎臓として機能するか評価する。1、脱メチル化(活性化)すべき5遺伝子に関しては、iPS樹立時と同様にPlatE法を用い、レトロウイルスにより強制発現させる。メチル化が維持される(不活性化)5遺伝子については、siRNAを用いて遺伝子発現を抑制する。2、1の処置後、2-4週間培養し、腎臓系統のマーカー発現をreal time PCRで評価し、siRNAおよびレトロウイルスの条件を最適化する。3、2で最適化された条件で、更に2-8週間分化誘導を行い、組織染色により腎臓構成細胞への分化を検証する。4、3で得られた細胞をLanzaらの報告した以下のデバイスへ播種し、SCIDマウスへ移植する。移植後4-8週で、リザーバ内の尿産生、ユニット内の腎臓組織形成を検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
siRNA関連試薬等一式、レトロウイルス関連試薬一式、組織染色試薬等一式、培養関連試薬等一式に加え、研究の進行を加速する為に、一部を人件費として使用する。
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Research Products
(3 results)