2012 Fiscal Year Research-status Report
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23591205
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
市田 公美 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (80183169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JUTABHA Promsuk 獨協医科大学, 医学部, 助教 (90541748)
木村 徹 杏林大学, 医学部, 助教 (30433725)
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Keywords | 高尿酸血症 / ABCG2 / 腎外排泄低下型高尿酸血症 / 腎負荷型高尿酸血症 |
Research Abstract |
ABCG2は、その機能低下は痛風や高尿酸血症のリスクを上昇させる。ABCG2遺伝子において、頻度が高く機能低下をきたす機能欠失型変異Q126Xと機能半減型変異Q141Kの組み合わせを用い、高尿酸血症男性644人のABCG2機能を推定し、尿中尿酸排泄量と尿酸クリアランスと比較検討した。ABCG2の機能低下により、排泄低下型高尿酸血症が増加することが予想されたが、逆にABCG2の尿酸排泄機能低下は、尿への尿酸排泄量を有意に増加させ、尿酸産生過剰による高尿酸血症(産生過剰型及び混合型高尿酸血症)の頻度を増加させた。特に重度のABCG2の機能低下では、産生過剰による高尿酸血症のリスクが増加し、リスク比(RR)は2.35(95% CI 1.86–2.97; P = 3.32×10−7)を示した。さらに、中程度と軽度の機能低下でも、それぞれRRが1.66(95% CI 1.32–2.10; P = 8.58×10−6)と1.36(95% CI 1.09–1.71; P = 4.55×10−3)であった。これらの結果は、尿酸の腎外排泄が関与している可能性を示していたが、腸管内の尿酸は、細菌叢によって速やかに代謝されるため、ヒトで腸管からの尿酸排泄評価は困難であった。そのため、尿酸分解酵素ウリカーゼ阻害剤であるオキソン酸処理を行ったAbcg2ノックアウトマウスを用いた。Abcg2ノックアウトマウスでは、血清尿酸値上昇および腎臓からの尿酸排泄量増加と、腸管からの尿酸排泄量の低下が見られた。腎外組織でのABCG2発現レベルが高いことから、今回のデータは、従来の概念における尿酸産生過剰型高尿酸血症は、腎外排泄低下型という新しい病型と、真の尿酸産生過剰型の2つのサブタイプからなる腎負荷型であることを示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画した内容よりは、若干遅れている。しかしながら、今回、ABCG2のSNPの解析から、ABCG2のSNPが血清尿酸値に著しく影響を与えることを明らかにでき、さらに新たな病型として腎外排泄低下型高尿酸血症の概念を提唱できたことから、順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
血清尿酸値の制御に対するABCG2の機能低下を来すSNPsの関与が、大きいことが明らかになったため、ABCG2に関しては、さらに痛風・高尿酸血症症の病態にどの様に関係しているかを、さらに詳細に検討する。ABCG2の検討が終了し次第、他の尿酸トランスポーターに関しても、SNPsの検討を進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
痛風・高尿酸血症を病態別に分類し、それらの状態におけるABCG2のSNPsの関与を、解析する。他の尿酸トランスポーターに関しても、順次着手する。
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Research Products
(9 results)