2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23591205
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
市田 公美 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (80183169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JUTABHA Promsuk 獨協医科大学, 医学部, 助教 (90541748)
木村 徹 杏林大学, 医学部, 助教 (30433725)
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Keywords | 痛風 / 高尿酸血症 / ABCG2 / 排泄低下型高尿酸血症 / 産生過剰型高尿酸血症 / 腎外排泄低下型高尿酸血症 / 発症年齢 |
Research Abstract |
ABCG2は尿酸トランスポーターであり、その機能低下は痛風や高尿酸血症のリスクを上昇させる。ABCG2遺伝子の頻度が高く機能低下をきたす機能欠失型変異Q126Xと機能半減型変異Q141Kの組み合わせを用い、ABCG2機能を推定することが可能である。我々は、ABCG2機能低下が腸管からの尿酸排泄を減少させ、腎臓からの尿酸排泄量を増加させること(腎外排泄低下型高尿酸血症:従来の産生過剰型高尿酸血症の大多数)を明らかにした。しかしながら、ABCG2機能異常が排泄低下型高尿酸血症の発症に関与しているかについては不明のままであった。今回、644人の高尿酸血症患者を用い、産生過剰型高尿酸血症、排泄低下型高尿酸血症、混合型に分類し、ABCG2推定機能との関連を検討した。その結果、高尿酸血症全体でみた場合、ABCG2機能が低下するに従い、高尿酸血症のリスクが上昇していた。同様に、これを産生過剰型高尿酸血症だけで検討しても、ABCG2機能低下に従い、産生過剰型高尿酸血症のリスクが上昇し、前回報告した腎外排泄低下型高尿酸血症の発症が関与していることが確認された。さらに、排泄低下型高尿酸血症だけで検討しても、産生過剰型程ではないもののABCG2機能低下は、排泄低下型高尿酸血症発症のリスクになっていることが明らかになった。しかし、ABCG2機能が25%以下に限っては症例数が少なく、有意ではなかった。従って、ABCG2機能低下は産生過剰型と排泄低下型高尿酸血症の両方に対してリスクとなり、著しい機能低下に関しては、腎外排泄低下型が強くでることから排泄低下型ではなく産生過剰型のリスクとなることが明らかになった。 さらに、ABCG2機能と痛風発症年齢の関係を705人の男性痛風患者と1887人のコントロールで検討した。その結果、ABCG2機能が低下するに従い、痛風発症年齢が若年化することが明らかになった。
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