2013 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病性腎症病態形成におけるクロトー遺伝子の抗アポトーシス機序の解明
Project/Area Number |
23591208
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
春名 克祐 川崎医科大学, 医学部, 講師 (40341094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 稔 川崎医科大学, 医学部, 講師 (70449891)
柏原 直樹 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10233701)
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Keywords | 腎臓学 |
Research Abstract |
平成25年度はSTZ誘発モデルマウスから自然発症インスリン分泌不全型糖尿病モデルであるAkitaマウスに変更し、計画を遂行した。Akita糖尿病マウスは20週齢でWTに比較し、有意なアルブミン尿が出現し、今回の系では病態モデルとして評価しうると考えられた。またアルブミン尿はAkita/Klotho TG群では有意に抑制された。アルブミン尿の改善が認められる一方で、尿細管細胞のアポトーシス陽性細胞の抑制には至っておらず、我々がこれまで他のモデルで確認していた、Klothoの尿細管上皮細胞のミトコンドリア障害の抑制からアポトーシス抑制につながるメカニズムとは別経路の改善作用を考慮する必要が発生した。その為、高血糖に伴う内皮機能障害の改善によるアルブミン尿抑制メカニズムに着眼し、再評価を遂行した。ヒト糸球体内皮細胞 (hGEnC) を分泌型KL存在下もしくは非存在下で30 mM D-Glucose刺激を行い、細胞のカルパイン活性を測定した。また、自然発症インスリン分泌不全型糖尿病モデルであるAkitaマウス (Akita) とKL過剰発現マウス (KLTG) を交配し実験に用いた。WT、Akita、KLTG、Akita/KLTG 群を準備し、20週齢でのアルブミン尿、腎組織、腎カルパイン活性を比較検討した。hGEnCへの高糖濃度刺激は、カルパイン活性を上昇させた。KL上清添加によりこの活性上昇は抑制された。(2)Akitaは20週齢でWTに比較し、有意なアルブミン尿が出現した。Akita/KLTG群では有意に抑制された。糸球体内PAS陽性面積もAkita/KLTG群ではAkita群に比較し有意に抑制された。これらの結果からKLはカルパイン活性化を抑制し、糖尿病によるアルブミン尿を抑制することが明らかとなった。
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