2013 Fiscal Year Research-status Report
アニオン型尿毒症性物質群を除去するハイブリッド型人工腎臓の開発
Project/Area Number |
23591212
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
鶴岡 秀一 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50285798)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山縣 邦弘 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90312850)
|
Keywords | 尿毒症性物質 / インドキシル硫酸 / バイオ人工腎臓 / 尿細管輸送 |
Research Abstract |
本研究の目的は、インドキシル硫酸(IS)を含む各種アニオン型尿毒症性物質の中から、腎不全患者の動脈硬化発生に強く関与する物質を明らかにすることである。そのために、昨年度に引き続き以下の検討を行った。 1)培養平滑筋細胞の増殖作用を指標とした、各種タンパク結合型尿毒症性物質のスクリーニング:ラット平滑筋初代培養細胞に各種の尿毒症性物質を添加した際の細胞増殖能の変化を、WST-1アッセイを用いて測定し、溶媒投与群の結果と比較することで評価した。今年度はISやフランジカルボン酸(CMPF)やp-クレシル硫酸のみならず、クレシルグルクロン酸にもより強い増殖刺激作用があることを明らかにした。スタチン前投与による抑制効果の検討も開始した。 2)アニオン輸送体発現尿細管培養細胞による尿毒症性物質輸送活性の確認:有機アニオン輸送体-3型(OAT-3)高発現培養尿細管細胞におけるISの輸送をCMPFやp-クレシル硫酸は有意に阻害した。しかしクレシルグルクロン酸による阻害効果は有意であるものの軽微であった。 3)ハイブリッド型人工腎臓へのOAT-3高発現細胞の培養確立:新規作成したOAT-3高発現細胞をハイブリッドガ多人工腎臓にsmall scaleで培養し、IS輸送能などの機能を評価した。メカニズムはまだ不明であるが、以前用いた細胞系と比して長期間培養継続が可能であった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各種基質候補のスクリーニングは順調に終了した。 バイオ人工腎臓の機能評価も予定通りに進行している。
|
Strategy for Future Research Activity |
スクリーニングによって確認できた尿毒症性物質による細胞増殖に対して、これを抑制できる併用薬を探索する。 尿細管細胞におけるクレシルグルクロン酸輸送機序を更に解明する。 OAT-3発現細胞によるバイオ人工腎臓を用いた機能評価を継続発展させる。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年に購入した試薬の余りを今年度に一部使用したために、予定よりも試薬代を少なくして研究をほぼ予定通りに遂行できた。 次年度は試薬代が今年以上に必要な予定であり、次年度使用分も合わせて予定した研究を継続する。
|
Research Products
(4 results)