2011 Fiscal Year Research-status Report
イオントランスポーターの翻訳後制御に着目した高血圧性心腎連関の分子機序の解明
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23591221
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
石上 友章 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (50264651)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ナトリウム代謝 / 尿細管 / 食塩感受性 / 高血圧 |
Research Abstract |
マウスNedd4L遺伝子のC2ドメインを、in silico 5`RACE法で発見した。Nedd4L C2ドメインをコードするexon 2をtargetにしたtargeting vectorを作成し、全身性のNedd4LC2ドメインノックアウトマウスの作成に成功した。今年度は、ノックアウトマウスの繁殖、系統維持を行い、高血圧の食塩感受性におけるNedd4Lの役割を検討する目的で、代謝ケージを使った実験を行なった。その一部は、2011年の日本高血圧学会(栃木)、American Society of Physiology (米国カリフォルニア)において発表した。ノックアウトマウスは、正常食塩食摂取では、尿中ナトリウム排泄、尿量、尿浸透圧は野生型のlittermateと変わらないが、高食塩食摂取によって、尿中ナトリウム排泄の低下、尿量の増加、尿浸透圧の低下が有意に認められた。また、機能的な異常だけではなくNedd4Lの発現している、結合尿細管~皮質集合管にかけての拡張、嚢胞化が認められ、高齢マウスでは嚢胞腎を呈することが判明した。 以上から、Nedd4LC2ドメインは、腎臓のナトリウム代謝、水代謝を通じた生体恒常性の維持に重要な役割をはたしており、その異常が食塩摂取量によってもたらされる、食塩感受性遺伝子であると考えられた。 本年度は、上記研究を引き続き発展させ、代謝ケージで観察された表現型の分子メカニズムを明らかにする。さらに、これまでの研究のトランスレーショナルリサーチ的展開として、ヒト尿中NPC2の定量系を開発する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ノックアウトマウスの表現型解析を行い、重要な発見を得ることができた。ノックアウトマウスは、致死的な表現型ではなく、系統維持も行なっており、今後の実験を遂行するにあたって、基礎的な実験環境を維持することができている。分子メカニズムの解明にあたっては、現在免疫共沈降実験、半定量的免疫組織学的研究、laser-microdissection法を用いた尿細管細胞の単離と定量的RT-PCR法による評価を行なっている。
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Strategy for Future Research Activity |
ノックアウトマウス代謝ケージ実験により得られた重要な知見の、分子メカニズムの解明と、ヒト食塩感受性高血圧症への診断、治療的なトランスレーションを目指す。具体的には、すでに基礎的検討を終えた、夜間血圧自動測定機能を有する家庭血圧計を用いて、外来における食塩感受性評価法を樹立する。そのために、尿中NPC2(これまでに、我々が明らかにした集合管特異的に発現するNedd4L C2ドメイン結合タンパク)の尿中測定法を開発することを計画している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
分子生物学的手法、免疫組織化学的手法を用いて、Nedd4L C2ドメインノックアウトマウスの分子病態生理を明らかにする。ヒト尿中NPC2定量のための、ELISA法の確立を目指す。
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Research Products
(1 results)